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3月に読んだ本のまとめ

3月の読書メーター
読んだ本の数:8
読んだページ数:2744
ナイス数:487

卍の殺人 (中公文庫)卍の殺人 (中公文庫)感想
デビュー作からすでに盤石の安定感がある今邑さん。昭和生まれにはこの感覚はまさに“たまらんっ”のである。卍の形をした館で巻き起こる骨肉の争い。不可解な連続殺人にどいつもこいつも思わせぶりで怪しさ満点の登場人物。この、ちょっと自分にも解けそうな感じの謎のさじ加減がぜつみょうで、もはや快感とも云えるもやもや感を引きずっての真相解明、そこからのもう一捻りは、今邑ミステリの真骨頂やね。繊細な心の機微をリアルさと儚さで綴られる醜くも哀しい愛憎劇。たのしかった。やー、それにしても匠がクズ。
読了日:03月05日 著者:今邑 彩

プレゼント (中公文庫)プレゼント (中公文庫)感想
これはステキ!ブラックで切れ味の鋭い、それでいてどこかオフビートな笑いを誘う珠玉のミステリ短編集。ついてないというにはあまりにも不幸なバックグラウンドを背負うシニカルな「葉村晶」のキャラがちょー魅力的。なんかこう、一歩間違えばギャグと紙一重のハードボイルドさがクセになりそうなヨカン。お気に入りは『あんたのせいよ』。そう、話きいてりゃ結局「自分以外のすべてが悪い」的な考え方をする人って、たしかにいる。ワンシチュエーションドラマ風の表題作はぜひ芝居でやってみたいとハゲシク思った。
読了日:03月11日 著者:若竹 七海

その可能性はすでに考えた (講談社ノベルス)その可能性はすでに考えた (講談社ノベルス)感想
なんというか、よく練り込まれた少年漫画を読んでいた気分。キャラクターの造形といい、くらくらするような二次元ワールドを体感してるようでちょっとしんどい。こういう感性の小説を読んでいると、つくづく自分も年取ったなあと実感してしまう。悲しいわ。奇跡を証明するために、あらゆるトリックの可能性を否定し続けんとする稀有な探偵が主人公。彼を取り巻く環境のスケール感もデカくて、なんと大げさな~と思わずにはいられないけれど、刺客たちと繰り広げる熾烈な推理バトルは、とてもユニークで刺激的だった。
読了日:03月12日 著者:井上 真偽

樹霊 (ミステリ・フロンティア)樹霊 (ミステリ・フロンティア)感想
すっきりと澄んだ空気を感じた。この清らかさは、お伊勢さんの境内を歩いているときのさらさら感に似てる。アイヌの言葉や風習の描写も興味深かった。犯人の動機には意外性があって驚かされるが、その心情は作品のテーマと相まって痛痛しく理解できる。傲慢な人間の愚かな宴の最期は、虚しく辛くやるせない。だが、清しい陽の光を浴びた巨大なハルニレのそばで、鳶さんが語るもうひとつの真相がなんとも心憎くて、しっとりとした優しい余韻に救われる。そして儚く散った恋心に切ない想いがつのる。泣くな、ネコさん。
読了日:03月14日 著者:鳥飼 否宇

斜め屋敷の犯罪 (講談社文庫)斜め屋敷の犯罪 (講談社文庫)感想
「占星術」を読んだのが気が遠くなるような昔の話。なのでえらい間の空いた2作目となってしまった。もっとも占星術は当時の自分にはちょっと合わない印象を持っていたため、今回の再チャレンジはその思いを払拭できるのか自分自身に興味もあった。やーもー予想以上に楽しめた!顎が外れるほどの圧巻のトリック。ホンマよー考えるわ、そンなこと。ま、推理することは端から放棄してたのだけれど(コラ)冒頭の花壇のパズルに関しては、わたしは安野光雅絵本の信奉者だったもので、一瞬で理解できたのであった。うふ
読了日:03月18日 著者:島田 荘司

化石少女 (文芸書)化石少女 (文芸書)感想
笑いと恐怖は表裏一体。まさに。このシュールさ。一章ごとにじわじわと背筋を這い登る得体のしれない気味悪さ。脱力系ツンデレ青春ストーリーの空気感と、奇妙な殺人事件との均衡が絶妙に不安定で、非現実感にくらくらする。ああ、麻耶さんだわ。間違いなく。ラストのオチはなんとなく予感できたけれど、でももしも本当にすべてまりあの推理通りだったとしたら、どんだけデンジャラスな生徒会なんだ。そろいもそろって殺意ありすぎやろ。大丈夫か、ペルム学園。某木曜ミステリ並みに誰ひとり京都弁しゃべらないし。
読了日:03月27日 著者:麻耶 雄嵩

モノクローム・レクイエム (徳間文庫)モノクローム・レクイエム (徳間文庫)感想
とっても読みやすくライトな印象。モノクロームとはそういう意味かー。白はまっとうな探偵(警察官だけど)編で、黒はアングラな必殺仕事人編。どちらも、奇怪な現象の裏に隠れている見えざる犯罪に鉄槌を下すというお話。それらを交互に配した連作短編集になっていて、都市伝説ありミステリありサスペンスありアクションありで楽しかった。特に最後の大がかりな仕掛けはさすが“やりすぎコージー”の異名にふさわしく、清々しいほどのとんでもトリック。引田天功もびっくり。ぜひぜひ実験してみたい衝動にカラレル。
読了日:03月28日 著者:小島 正樹

ST 警視庁科学特捜班 エピソード1<新装版> (講談社文庫)ST 警視庁科学特捜班 エピソード1<新装版> (講談社文庫)感想
実は『隠蔽捜査』を途中挫折するという昏い過去を持っているので少し不安はあったのだけれど。あにはからんや、サクサク読めてすンごいおもしろかった!キャラ立ちしてるしテンポはいいし、ストーリーも明快でまったくストレスなくドラマを見てるような感じでわくわくしながら読んで行けた。つうか、この作品はドラマ化してるのね。5人のスペシャリストの名前に色(赤とか青とか)が含まれているのもなにげに戦隊ヒーローぽくて楽しい。とにかく彼らの特殊能力加減がハンパない。ニュータイプかよ?続刊も読むぞー♪
読了日:03月29日 著者:今野 敏

読書メーター


◆◇◆



いつの間にやら広告が出ていてびっくり。

今年は思いのほか桜の開花が早くて、うれしいんだけどいろいろと予定が狂いっぱなし。
まーねー。しょーがないよね。桜祭りだもの。
本だって今月はまだ一冊も読めてないし。ま、春はしゃーないよねー♪♪♪

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Posted by K@zumi

12月に読んだ本のまとめ

12月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:2517
ナイス数:564

誰も僕を裁けない (講談社ノベルス)誰も僕を裁けない (講談社ノベルス)感想
援交女子高生探偵らいちシリーズ三作目。彼女の顧客にはいずれ劣らぬハイパーな方たちばかりで、その人脈の幅広さに改めて感服。これだけのブレーンと情報網に彼女の知性が加われば、まさに鬼に金棒やね。また今回はお屋敷のヘンチクリンな間取りからして「きたよ、きたよ」って感じで、館好きへの期待はタカマル。ええ、館トリックはアクロバティックでいいんです、もちろん。伏線の回収率も素晴らしく、ほのかに哀愁を帯びたほろ苦いエンディングも印象的。なるほど、『誰も僕を裁けない』とはそーゆー意味だったか!
読了日:12月02日 著者:早坂 吝

扼殺のロンド (双葉文庫)扼殺のロンド (双葉文庫)感想
まんまとやられちゃいました。うー。真犯人、それかー。ミスリードされてるのはうすうす感じてはいたものの、終盤思わず「は?」とかゆっちゃいましたよ。胃と腸がごっそり抜かれてるというのはきっとアレだからだ、とは思うものの、なんで高山病なのかはさっぱり見当もつかなかった。しかし壮絶なドライブやな、マジで。やーもーミラクルイリュージョンな密室トリックの連打で、特にサト江さん卒倒の場面とかほんま「ありえね~」とか思いながらも、こんな奇天烈な仕掛けを鮮やかに見破ってしまう海老原さん、神かよ?
読了日:12月03日 著者:小島 正樹

ゴールデン・ブラッド GOLDEN BLOOD (幻冬舎文庫)ゴールデン・ブラッド GOLDEN BLOOD (幻冬舎文庫)感想
重たいテーマだった。研究者の闇というか、目の前で失っていく命の多さに心のどこかが微妙に壊れてしまった人の、神をも畏れぬ純粋さに戦慄する。命を救うために命を奪う。血液製剤の未来のために惨事すら活用する。それはまさに本末転倒ではあるが、一刀両断には糾弾できないもどかしさもある。だが、罪は罪として正しく罰せられなければならない。死因究明には東海林センパイが大小判を推す、あのスゴ腕の検視官登場やったら「そらまかしといて大丈夫やで、圭吾!」とガッツポーズを出す自分。ほんま彼らは頼もしい。
読了日:12月05日 著者:内藤 了

夜市 (角川ホラー文庫)夜市 (角川ホラー文庫)感想
独特の風情のある美しい文章。読み始めてすぐに魔法にかけられる。ホラー小説だと思っていたら、切ない郷愁の漂うファンタジックな雰囲気に魅了されて、本書は上質な大人の童話だと感じた。これが噂に聞く恒川ワールドかあ。余分な装飾のない端正な言葉の一つひとつに、驚くほど豊かな抒情があふれていて、懐かしさと甘いもの悲しさに泣きたい気持ちになる。異形の者たちが闊歩する世界と、我々が生きているこの日常は、それと気づかないだけできっと地続きなんだろうと素直に思えてしまう。しっとりとした静謐な奇談だ。
読了日:12月10日 著者:恒川 光太郎

the TEAM(ザ・チーム) (集英社文庫)the TEAM(ザ・チーム) (集英社文庫)感想
痛快だった!やってることはほぼ犯罪なんだけど、それでも彼らの手腕に感心し、そのプロ意識には応援したくなる気持ちがわいてくる。チームが実にチャーミングで興味深い。しかし悠美恐いわー。敵には回したくない感じ。わたし自身は霊能力者にでも縋りたくなるような深刻な悩み事は今のところは持ち合わせていないけれど、あれだけ鮮やかにトラブルを解決に導いてくれるのなら騙されてもエエかな?とは思う。たとえ8万払ってでも心の安寧が得られるなら、インチキ霊能者でも鰯のアタマでもありがたく思えるだろう。
読了日:12月13日 著者:井上 夢人

眼球堂の殺人 ~The Book~ (講談社文庫)眼球堂の殺人 ~The Book~ (講談社文庫)感想
おもしろかった!数学も物理もまったくダメで「こんなんで天才たちのハイレベルな会話についていけるんやろか」、と心配していたけどチンプンカンプンなりに最低限は理解できたしとても楽しかった。何より思った以上に軽快な会話と読みやすい文体のおかげで、テンポよく読み進めることができた。大好物のクローズド・サークル、妙ちくりんなお屋敷、不可解な連続殺人、探偵役も漫画みたいな変人学者ときた。眼球堂の謎もさることながら、エピローグで明かされる究極の真実!くぅ~、そう繋がるのかぁ。ちくしょう☆
読了日:12月14日 著者:周木 律

女學生奇譚 (文芸書)女學生奇譚 (文芸書)感想
物語の面白さもさることながら、川瀬さんは本当にキャラクターの造形が上手いなあ、と今回も思った。どの人も眼前に絵が浮かぶほど個性が際立って実に魅力的だ。恐怖を感じることができない主人公とその双子の弟。彼らの対比も憎らしいほど巧みで、危うさとの葛藤と憧憬に強く惹きつけられる。本に隠された事実も悍ましい。真相の方はイマイチ現実味がわかなくてピンとこなかった部分はあったけれど、日常がじわじわと浸食されていくオカルティックな恐怖と種明かしされる論理的な推理とが程よくマッチして楽しかった。
読了日:12月24日 著者:川瀬 七緒

読書メーター



◆◇◆




早いもので、うかっとしていたらもう1月も半ばを過ぎてしまいました。
新年のごあいさつもできないまま、本年もよろしくお願いします。

昨年はおかげさまで130冊読むことができました。
これってたぶん自己サイコーじゃないかしらん??
今年はおそらくこんなには読めないだろうなあ。同居って思ってた以上に忙しいし。

さてお待ちかねだった『屍人荘の殺人』が届いたので、
これでお正月から停滞気味だった読書熱にスイッチが入るかな?

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Posted by K@zumi

9月に読んだ本のまとめ

9月の読書メーター
読んだ本の数:12
読んだページ数:4740
ナイス数:1184

九つの殺人メルヘン (光文社文庫)九つの殺人メルヘン (光文社文庫)感想
夜眠る前にお布団のなかで1日1話ずつ読む。という、幼子が毎晩母親から読み聞かせをしてもらうような趣向で楽しみながら読んだ。大人のひねたメルヘン。お伽噺になぞられた動機と九つのアリバイ。日本酒バーで美味しい肴と愉快な仲間たちによるサイコーの与太話。いえ、ディスカッション。これはたまらない。1話目から胃袋とハートを持っていかれ、すっかり物語の虜に。あの絶妙のノリ突っ込み、反則やわ。けっこうなムチャぶりトリック連発だけど、酒の席なら大いにアリやね。さらっと辛口で締めるラストも粋。
読了日:09月02日 著者:鯨 統一郎

武家屋敷の殺人 (講談社文庫)武家屋敷の殺人 (講談社文庫)感想
いンやー、おもしろかった!ミイラが蘇ったり、死体が瞬間移動したり、魅惑的な謎がいっぱい。もう初っ端からすごい。邦彦がわずかな手がかりから瑞希の生家を突きとめてしまうところは本当に圧巻。伏線らしきところに付箋をばしばしと貼って、やがてそれらがキレイに回収されていくときの爽快感ときたら。自分ではまったく推理なんてしてないのに、その伏線が当たってただけでもヘンな優越感に浸れてしまう。アホだ。消失トリックはまるでイリュージョン。ありえへん~!ラストはさらにお口あんぐり。満腹満足なり。
読了日:09月04日 著者:小島 正樹

十字屋敷のピエロ (講談社文庫)十字屋敷のピエロ (講談社文庫)感想
美しくスマートな文章。魅力的な登場人物。二転三転する事の真相。東野さんの本はとても読みやすくて、まるでドラマを見ているようにすっと心に入ってくる。ユニークなのは「悲劇のピエロ」と云われるお人形の視点から語られる事件の断片。そこにミスリードが隠されてるんだ!って分かっていても気づけないもどかしさ。トリック自体はそんなに大げさなものじゃないのに、全体像が明らかになったときのカタルシスがとっても気持ちイイ。そして最後のもうひと捻り。苦い哀しみと車窓を流れゆく風景のような寂しさが残る。
読了日:09月06日 著者:東野 圭吾

月の夜は暗く (創元推理文庫)月の夜は暗く (創元推理文庫)感想
虐待が子どもに与える影響の計り知れなさを目の当たりにしてただもう戦慄する。残虐性に容赦がなくてひたすらビビりまくる。同じ見立て殺人でも、殺害してから装飾を施すというのではなく、童謡(かなりサイコ)を忠実になぞって拷問し続け死に至らしめる。人間であることを呪いたくなるくらい恐ろしい。でも目が離せなくて心拍数ガンガン上げながら前のめりになって読む。なんといっても偏屈キャラのスナイデルがとても魅力的。途中で犯人は察しがつくものの、散らかった人間関係の糸が見事に一本に繋がるさまは爽快!
読了日:09月11日 著者:アンドレアス・グルーバー

その女アレックス (文春文庫)その女アレックス (文春文庫)感想
アレックス。彼女は何者?そのタイトルからしてすでにネタバレ感満載だけど、とても面白かった。彼女の素顔がじわじわと浮かび上がる展開はとてもスリリングで背中の産毛もさわぐ。その手を掴みかけてはまたするりと身をかわしてしまう、タフでチャーミングで残酷で、泣き虫の哀しいヒロイン、ミステリアスなアレックスの秘密が知りたくて夢中になって読んだ。監禁状態も殺害方法もとことん悪趣味でおえっぷになりながらも、カミーユを始め捜査員たちの軽快な会話に心底癒されつつ、彼女の人生をまるごと飲み込んだ。
読了日:09月12日 著者:ピエール ルメートル

キャットフード (講談社文庫)キャットフード (講談社文庫)感想
ゲス探偵との誉れ高い三途川理とはいかなる人物か。実は読む前から興味シンシンでした。ははあ。なるほど。たしかにゲスや。しかしなにがびっくりって彼がまだ高校生だということ。ティーンであのもの言いはないわー。それに、にゃんこと一緒になってもぐもぐしてるシーン、最初特に気に留めなかったんだけど、理由がわかってからは微妙に寒気が…。ないわー。ブラックユーモア満載のシュールなミステリ。ロジックがややこしくてちょっとこんがらがったけど、サスペンス感もたっぷりで、サクサク読めて楽しく読了。
読了日:09月14日 著者:森川 智喜

身代わり島 (朝日文庫)身代わり島 (朝日文庫)感想
舞台が三重県の離島ってことで、県民としては問答無用でテンションが上がりまくる。しかも悲しい伝説を秘めたこの島は「身代わり島」とも呼ばれているそうな。その身代わり島で起こる不可解な事件。フィギュアの首がもがれたり、そのフィギュアと酷似した服装の女性が殺害されたりと、またもテンションは上がる。推理は相変わらずキリリと鋭く、石持作品に登場する探偵さんはみんなあまりにもキレ者すぎてちょっと恐い印象。そうかぁ。この本を手に取ったときから、すでにトラップは仕掛けられていたってことかぁ。
読了日:09月14日 著者:石持 浅海

化身の哭く森化身の哭く森感想
今回は槙野さんも東條刑事も血まみれのズタボロにならなくて心からホッとするわたし。新メンバーに早瀬さんもキャスティングされ、どうやら彼女には不穏な秘密が隠されているモヨウ?こちらは次回以降のお楽しみということで。入らずの山に足を踏み入れた学生たちが次々と非業の死を遂げる。これは御山の祟りかあるいは第三者による殺人か。犯人に関しては、珍しく早い段階で当たりを引いたのだけど、共犯者が違っていた!くっ!まさか彼らが裏で繋がっていたとは…。しかしお金の魔力って祟りと同じくらい恐ろしい。
読了日:09月16日 著者:吉田 恭教

哀愁の町に霧が降るのだ〈上巻〉 (新潮文庫)哀愁の町に霧が降るのだ〈上巻〉 (新潮文庫)感想
本棚の整理をしていてふと目について思わず読んでしまう。ぐぅ、やっぱりおもしろい。椎名さんはわたしがまだ小娘の頃、この人となら人生棒に振ってもイイと思えるくらい惚れ込んでいた作家さん。当時はご多分に漏れず「ちょっとブンガク的な不良中年」というのがツボだったのだ。今でもそうだけど。若き日のシーナと愛すべき悪友どもとのオロカで愛しい日々。怒り悩み罵倒しケンカに明け暮れひたすら酒を飲む。これがしみじみと面白く、そして切なく、しんと悲しい。この独特の「おもしろかなしずむ」は彼の真骨頂だ。
読了日:09月21日 著者:椎名 誠

有栖川有栖の鉄道ミステリ・ライブラリー (角川文庫)有栖川有栖の鉄道ミステリ・ライブラリー (角川文庫)感想
わたし自身は特に鉄ちゃんではないのですが、鉄道に関することは読むのも見るのもけっこうスキです。しかもこれまたダイスキな有栖先生推しの鉄道ミステリときた。堪能させていただきました。ずらりと並んだメンバーはどなたも大御所ばかり。しかしながら名前しか知らなかったわたしにはどの作品も新鮮でとても興味深く読ませてもらいました。特に印象深かったのはフィリップ・K・ディックの『地図にない町』。幻想的でノスタルジックで、時計の針が狂うような奇妙な読了感はわたしにとっては十分ホラーなのでした。
読了日:09月25日 著者:




◆◇◆




なんと、記事にタグが10個しか付けられないってことで、2作品だけ別エントリーに載せます。
ちょっとややこしいけど、まあ覚え書きなので……。

9月は話題作だった(すでに遠い過去か)『その女アレックス』をようやく読んだ。
しかし悲しい物語だった。アレックスという一人の女性の壮絶な生涯だった。
彼女は何のために生まれて来たのか、なぜこれほどまでの目に遭わなくてはならなかったのか。
これが選ばれし者に与えられた神様の試練だとしたら、神様なんてドSのド変態のくそったれだ。
そのイカれた神様のゲームに彼女は彼女なりの方法でケリをつけた。
もう悪夢に怯えなくてもいいよと思うと、泣けてくる。
それにしてもアルマン、男前やん。見直した!!

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Posted by K@zumi

8月に読んだ本のまとめ

8月の読書メーター
読んだ本の数:10
読んだページ数:3594
ナイス数:805

どこの家にも怖いものはいるどこの家にも怖いものはいる感想
別々と思われていた怪異も、辿っていけば根っ子は同じ。ああ、なんて厭な因果。もしかしてこの家の家鳴りも夜中に壁の向こうでカリカリ音がするのもテレビが勝手に点いたり二階のおじいちゃんが頻繁に「呼んだか?」って聞くのも、ねえ、そうなの?三津田さんッ!?(冷汗)とにかくなにが信じられないって、例の彼女、なんであの状況で(食事はともかく)シャワー浴びれるかなあ(そこ?)子ども最強。まったく人気のない余所さんの家ほど気色悪いものはないし、ましてや夜中にあれに追っかけられるとかホンマ厭や。
読了日:08月02日 著者:三津田 信三

薔薇十字叢書 桟敷童の誕 (富士見L文庫)薔薇十字叢書 桟敷童の誕 (富士見L文庫)感想
薔薇十字叢書は、〈天邪鬼〉〈神社姫〉と続いて3冊目。ぶっちゃけ、折角の二次なんだからもうちょっとハジけてくれても良かったのに、、、と思わなくもありませんが、楽しかったです。序盤からの鬱々とした雰囲気から勝手に憑き物落としを期待したため、やや肩透かしを食らったような印象を持ってしまったのは我儘ですね。関くんのヘタレ具合が、相変わらず下駄で後頭部をはたきたくなる感じで懐かしかったです(*´ω`*) ラストへの展開が唐突でなにげに謎が残りますが、おもしろく読ませてもらいました。
読了日:08月05日 著者:佐々木 禎子

ムーンズエンド荘の殺人 (創元推理文庫)ムーンズエンド荘の殺人 (創元推理文庫)感想
雪の山荘版『そして誰もいなくなった』なんて帯に書かれたら、アホなんでホイホイ手を出してしまう。孤立した山荘に集められた男女が、不気味な殺人予告どおりに密室殺人などの不可能犯罪によって次々と殺されてゆく。物語の背景に15年前の不審死の謎というのが挟み込まれてくるんだけど、これがイマイチ中途半端な印象でもやもや。過去の誘拐事件も意味深な扱い。推理はとても論理的で目から鱗がぽたぽた。ただ探偵諸君の魅力が乏しく華がない様に感じたし、もうちょっと人間ドラマの奥行感が欲しかったかなー。
読了日:08月16日 著者:エリック・キース

アンデッドガール・マーダーファルス 1 (講談社タイガ)アンデッドガール・マーダーファルス 1 (講談社タイガ)感想
吸血鬼や人造人間があたり前に共存する19世紀末のヨーロッパが舞台。関係者がほぼ全員異端であるがゆえに、その特性を踏まえたうえでの推理が展開する異世界ミステリ。探偵役が鳥籠のなかに鎮座する美少女の生首だったりしてとてもグロテスクなんだけど、物語が醸しだすダークファンタジーな雰囲気に違和感なく溶け込んでいる。脇を彩るキャラクターもみんな個性的で絵面が目に浮かぶよう。ロジカルな本格ミステリの神髄は保ちつつ、ボケありアクションありの痛快エンターテイメント作品。続刊も気になりますねえ。
読了日:08月16日 著者:青崎 有吾

狩人の悪夢狩人の悪夢感想
手首の切り取られた遺体。夜な夜な徘徊する夢遊病者。必ず悪夢を見ると云われている部屋。怪奇ムードむんむんの設定でも、そこは有栖川センセイ。なんだこの淋しく透きとおった印象は!胸がきゅうと痛くなる切なく詩的な表現。この独特のメランコリックな余韻が有栖川作品の魅力のひとつ。ラストの謎解きはさらりと読んだだけじゃなかなか理解できなかったけれど(すんません)、犯人の苦悩、被害者の無念、天上の彼の絶望、それらが交錯してやりきれない思いが募る。だが、誰もが彼への救済を願っていたのだと信じたい。
読了日:08月23日 著者:有栖川 有栖

バチカン奇跡調査官  黒の学院 (角川ホラー文庫)バチカン奇跡調査官 黒の学院 (角川ホラー文庫)感想
清廉なものや厳格なもの、聖なんちゃらといったものが、実は禍々しく隠微なものと紙一重かもというところにロマンというかぞわぞわとした興味を覚えるのは、何もわたしが下世話な人間だからというわけでもないと思う。清らかなものを貶めたい、あるいはその高潔な化けの皮がはがれるところを見てみたい。と思うのはある意味人間としてのまっとうな欲求なんじゃないかしら、と思う。人格を疑われそうだけど。怜悧でクールで折り目正しく、でもちゃっかりした天然キャラの平賀神父がなにげに不気味。ロベルト大変ね。
読了日:08月24日 著者:藤木 稟

蜜蜂と遠雷蜜蜂と遠雷感想
すごくおもしろかった。これだけの長編なのにちっとも長さを感じなかった。クラシック音楽にはまるで明るくないけれど、広げた本のなかから生まれたての果実のような瑞々しい音楽が聞こえてくる気がする。鮮やかな色彩となつかしくて甘い香りが漂ってくる。初恋のような高揚感。ページをめくるごとに、たくさんの音の洪水がキラめく光の粒となって細胞のすみずみにまで深くしっとりと染み透って春風みたいな柔らかく幸せな気持ちになる。豊かな言葉の波にのみ込まれる快感。とろける蜜の如く芳醇な読書時間だった。感謝。
読了日:08月25日 著者:恩田 陸

ほうかご探偵隊 (創元推理文庫)ほうかご探偵隊 (創元推理文庫)感想
少年少女向けのミステリーランドとはいえ、このシリーズは侮れない。ヘンテコな謎にユルめのユーモア、そして学校あるあるなエピソードなど、そのどれもが甘酸っぱくてニコニコしながら読み進めていく。やがて小利口な探偵くんによって大人が舌を巻くようなロジカルな推理が展開したと思ったら、そこから二転三転と、謎が解体され再構築されていく。その様子は、わたしたち大人の読者もどんどん子どもに帰っていくようで、なんとも言えず微笑ましくほっこりした気持ちに。ジュブナイルらしくお見事な着地でございます。
読了日:08月28日 著者:倉知 淳

湖底のまつり (創元推理文庫)湖底のまつり (創元推理文庫)感想
うわー。騙された。なんとそうだったのかー!これはすごい。不可解なシンメトリーが奇跡のように繋がった。そういうことか。ぅーん、ぅーん、愛は不思議。愛は幻。そして愛は狂気。何という運命の悪戯。美しい陽炎。おもしろかった。しかししかし、(関係薄いけど)深窓の令嬢ともあろう者がどうやってあンなもん手に入れたんだろう。その頃はまだネットショッピングなんて普及してなかった頃だと思うし、まさか店頭でなんてことあるんだろうか。ぅーん、気になる。どんねんしてんやろ。今晩寝られへん。(アホか)
読了日:08月29日 著者:泡坂 妻夫

祟り火の一族祟り火の一族感想
六つの怪談。顔のない二人の男。三つの化け物に火を厭う一族。グイグイねじ伏せる重量級のトリックももちろん健在。前に『呪い殺しの村』を読んだ時に気になってた五芒星の火傷の理由がようやく分かった。そしたら今度は連続晒し首事件という新たな疑問が登場して、シリーズを逆行して読んでるとこういった別の意味での「謎」が増えてちょっと得した気分に。然しながらこれだけ魅力的なガジェット盛りだくさんなのに、あまりにもヒロインがいけ好かないので途中で読むのをやめようかと思った。早まらなくて良かったよ。
読了日:08月30日 著者:小島 正樹

読書メーター


◆◇◆



なんとか目標の10冊をクリアできた8月でした。
恩田さんの『蜜蜂と遠雷』もようやく(実に予約から一年ぶり!)読めたし、良かった。良かった。
それと、藤木さんのバチカンシリーズはじわじわと追いかけてみるつもりです。( ー`дー´)キリッ 

また今回とってもびっくりしたのは、「やりすぎミステリ(通称:やりミス)」の
小島正樹先生から、ツイッターの投稿に対してご丁寧なコメントを頂戴したということ。
やーもー朝から変な汗かいてしまいましたよ。作家さんて、読んではるんやなあ。
まさに穴があったら入りたい心境でございました。
しかも!先生自らフォローしてくださるとか、ほんま嬉しいような恐ろしいような…。
てことで、今『武家屋敷の殺人』読んでます。ちゃっかりとかいうたらあかん。

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Posted by K@zumi

7月に読んだ本のまとめ

7月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:2216
ナイス数:597

呪い殺しの村呪い殺しの村感想
“憑き物筋”と聞くだけで身体が震えるほどコーフンするのですが、それほどがっつり民俗学的に絡んではいなかったような印象。しかもあれほどの三つの奇跡を起こしてみせた俊一郎の影の薄さ加減がちょっぴり気の毒。神がかり的な偶然を利用した密室殺人もさることながら、瞬時にあれだけのトリックを捻り出せるあの犯人の機転の利き方って、ほんとただ者じゃないわ。理論的には可能かもしんないけど、数々のムチャブリトリックに「ンなあほな~」とツッコミつつも楽しく読了。ただ探偵がちょっといけ好かないのよね。
読了日:07月05日 著者:小島 正樹

さよなら、シリアルキラー (創元推理文庫)さよなら、シリアルキラー (創元推理文庫)感想
稀代のシリアルキラーである父親から、あらゆる殺しの英才教育を受けて育った少年「ジャズ」が主人公。その偉大な父の呪縛から逃れようと、必死に己の内なる怪物と葛藤する姿が悲しくも愛おしい。起こる事件は陰惨なんだけど、それはこの物語の刺身のツマ程度に感じられるほど、ほろ苦く切ない青春小説の色合いが濃い気がする。兎にも角にもハウイーとコニーがイイ子すぎて苦しい。彼らの存在が今のジャズをこの世界に繋ぎ止めている唯一の希望だ。もしもジャズが彼らを失ったらどうなってしまうのか、母さんは心配だよ。
読了日:07月14日 著者:バリー・ライガ

鍵の掛かった男鍵の掛かった男感想
「尻尾を捕まえた。ほら、こいつだ。もう離さない」相変わらず火村氏のキザなセリフは健在でうれしくなる。あるホテルで孤独な老人が謎の死を遂げる。はたして彼は自殺か他殺か。火村氏不在のなか、その真相に迫るべくアリスが孤軍奮闘がんばるがんばる。そう、その男はまさに鍵の掛かった男だったのだ。綿密な取材によって次第に浮き彫りになっていく被害者の人物像と壮絶な過去。ラストの鮮やかな謎解きもお見事ながら、そこに至るまでの遣る瀬のない人間模様や、数奇な運命に弄ばれた独りの男の人生が穏やかに沁みた。
読了日:07月19日 著者:有栖川 有栖

仮面病棟 (実業之日本社文庫)仮面病棟 (実業之日本社文庫)感想
知念さん、初読みです。タイトルや装丁からゲームめいたものを想像していて、もしそうなら苦手やな、と思っていたのですが、あにはからんや、いきなりのフルスロットルな展開にあれよあれよという間にわたしもすっかり渦中の人間に。しかもこの読めそで読めない登場人物の嫌らしいくらいのベタな反応と行動。これはもう素直でいいの?どうなの?とざわざわしながら読み進め、迎えたラストシーン。なるほど!大まかなところはその通りでしたが、なんとそうだったかー!犯人すごい。こうなったら成就させてあげたいわン☆
読了日:07月25日 著者:知念 実希人

首洗い滝 よろず建物因縁帳 (講談社タイガ)首洗い滝 よろず建物因縁帳 (講談社タイガ)感想
曰く因縁つきの物件や地場を観光名所として開発するにあたり、その際のお祓いや営繕などもビジネスとしてシビアに見積もられるとか、いろんな意味で建設業界は奥深い世界やなあとしみじみ思う。恐ろしい怪異も根源に横たわるのは哀しくも美しいピュアな愛。それを退治するのではなく、キチンと成仏をさせてあげる。ええ話や。また仙龍がどんどん好い男になってきて好感度大。女子っていうのはこーゆーちょっと硬派な男前にヨワかったりするんだけど、いざ付き合うとなるとこれが少々厄介ではある。春菜ガンバレ。
読了日:07月26日 著者:内藤 了

三階に止まる三階に止まる感想
実に石持さんらしさがうかがえるホラーテイストのミステリでありました。イイっすね、このなんともメンドクサイ感じ。堪能したー。一番ぞっとしたのはやはり『黒い方程式』の容赦のなさと最後の妻の行動かしらん。分からんでもないけど、彼女がとても理路整然とマトモそうに壊れてる様が痛々しくも恐ろしかった。表題作も気色悪い。エレベーターってほんと厭な感じ。ゴンドラのシーンも緊迫感があって引き込まれた。ほんの15分ほどのドラマがとても濃厚で、見下ろす風景のように現実がぐらつく酩酊感が味わえた。
読了日:07月27日 著者:石持 浅海

読書メーター



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やーもー、暑い です。

PCをあんまり開かなくなったので、たまに立ち上げると遅い遅い。
7月のスマッシュヒットは『さよなら、シリアルキラー』でしょうか。
翻訳モノ苦手を覆えす読みやすさでした。続刊も読み進めたいです。

ところで、アマゾンプライムに登録してみました。
プライムビデオのエントリー数はじゃっかん少なめではありますが
年額3,900円(月にすると300円ちょっと)ならお得ですね。
娘ちゃんが「FIRE TV Stick」を買ってくれたので、
すごく楽にテレビで鑑賞できてホクホクしてます。
こちらのスティックで「dTV」や「Hulu」なんかも視聴できるので
また娘はお試し登録してみるとか云ってます。楽しみ♪♪♪

今月はやたら飲み会が多いので、お財布がピンチで悲しい( >Д<;)

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Posted by K@zumi

十三回忌

十三回忌 (双葉文庫)
十三回忌 (双葉文庫)
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小島 正樹
双葉社 (2013-07-11)
売り上げランキング: 349,351

自殺とされた資産家夫人の不審死。彼女に呼び寄せられるかのごとく、法要のたびに少女が殺される。一周忌には生きながら串刺しにされ、三回忌には首を持ち去られ、七回忌には唇を切り取られていた。そして迎えた十三回忌、厳戒態勢の中、またもや事件が起きた―。巧みな謎と鮮やかな結末に驚愕必至の長編ミステリー。


年忌法要がおとずれる度に少女が死ぬ――
一周忌には串刺しに、三回忌には斬首され、七回忌には唇が切り取られる。

中でも一周忌の少女が超ヒサン。生きたまま串刺しにされるとかヴラドかよ?
まだ肛門からじゃないだけ救われる。救われないか。

意外な犯人もさることながら問題はそのトリック。

「アクロバティックすぎるやろっ!」

どんだけ運に恵まれてるんだ犯人!警察これで納得してほんまにええの?と心配でわらわらしてしまう。

人里離れた豪邸。胡散臭い人々。猟奇的な連続殺人。驚愕のトリック。
イイですねえ。目がハートですよ。人物が描けてないとか、この際どーでもええやないですか。

「いいぞ、モットヤレ♪」

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Posted by K@zumi
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