BURN 下 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子

BURN 下 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子 (角川ホラー文庫)
内藤 了
KADOKAWA (2019-01-24)
売り上げランキング: 82,383

国際テロ組織「CBET」の目論見を阻止するために大きな覚悟を決めた猟奇犯罪捜査班の面々。彼らのアジトと思われる廃墟を突き止め現場へ向かおうとしたそのとき、捜査班をサポートしてきた田中管理官の車が路上で燃えているという情報が入った。そして廃墟でも火事が発生、現場では凄惨な殺人の痕跡が発見される。廃墟をあとにした比奈子は組織のトップ・ミシェルに拉致されて…。大人気警察小説シリーズ、ついに本編完結!


なんちゅうか、まさにハリウッド並みの豪快さでド派手に締めくくってくれた最終決戦。
途中「マジかよ…」と思うシーンもあって眸がうるみかけたけれど、無事回避されてなんだかんだで大団円。
とにかく「虫」と「忍」が最後にいい仕事しました。儚く散った彼女に心からの哀悼を。

正直、主人公にそこまでさせるのか?と思わなくもないですが、とにかく厚田班はひとりも欠けることなく、相変わらず死神女史は口が悪く、かわいそうなスサナの願いもちゃんと叶って心底ホッとしました。
まだまだ頭の痛い問題は消えないし不安要素も拭いきれないとしても、永久をはじめそれぞれの未来と生きるチカラを今は静かに信じたい。

疾走感あふれる展開。人間の狂気に、怒りに、絶望に、人はどこまで抗えるのか。
魅力的なキャラクター、吸引力のあるシリーズに巡り合えてホント感謝しかありません。

Posted by K@zumi

BURN 上 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子

BURN 上 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子 (角川ホラー文庫)
内藤 了
KADOKAWA (2019-01-24)
売り上げランキング: 22,609

数々の殺人の果てにテロをたくらむ組織「CBET」が狙っているのは、センターにかくまわれている天才的プロファイラー・中島保の技術。それ以外にも、彼らの求めるものがセンターに揃っている状況が発生していることに気付く猟奇犯罪捜査班。スヴェートのトップ・ミシェルの情報を探るなか、比奈子は培養された都夜の脳とあらためて対峙するためにセンターを訪れ…。大人気警察小説シリーズ第10弾、ついにクライマックス。


このシリーズもいよいよ最終章に突入なのかー。はー、感慨深いです。

実は『COPY』を読んでから約1年ほど間が空いていたのでじゃっかん記憶を探りながらの読書だったけれど、テンポの良い文章と安定の人間関係(会話)に和みながら、エグイ描写でもぐいぐい読んでいける。
冷酷無比で邪悪な組織「スヴェート」の目的がついに明らかになり、シリーズを通して周到にばらまかれていた数々の布石が、ここにきて一気に集約していく。

犯罪に対して真摯に向き合いお互いが強い絆で結ばれた、あったかい猟奇犯罪捜査班のチームはもう心の中ではすでに身内だ。(妄想では電話1本で気軽に呼び出せるくらいの間柄)
誰ひとり欠けることなくラストシーンでは笑って再会させておくれ!

Posted by K@zumi

6月に読んだ本のまとめ

6月の読書メーター
読んだ本の数:3
読んだページ数:1006
ナイス数:122

解決まではあと6人 (講談社文庫)解決まではあと6人 (講談社文庫)感想
顔の見えない人物が様々なアプローチからその輪郭があぶりだされていく様や、雲をつかむような依頼内容からじょじょに繋がっていく不可解な謎へのスリリングな推理バトンには、わくわくしてとても引き込まれました。ただ真犯人があまりにも意外で、つか意外(突飛)過ぎて、しかも妙にアッサリで、それまでの興奮がじゃっかん静まってしまったように感じたのはすこし残念でした。
読了日:06月28日 著者:岡嶋 二人

インド倶楽部の謎 (講談社ノベルス)インド倶楽部の謎 (講談社ノベルス)感想
前世の記憶なんて下手に蘇らない方がイイですね。しかし被害者があまりにも有能すぎてホラー級に恐ろしい。でもって身近に前世の仲間たちが揃いすぎて、まるで『ぼくの地球を守って』みたいやなーと思って読んでいました。あんがい動機もその辺なのかなと…。やー、久方ぶりのアリスとの再会に胸躍るひとときでした。ああシアワセ。
読了日:06月29日 著者:有栖川 有栖

ジンカン 宮内庁神祇鑑定人・九鬼隗一郎 (講談社タイガ)ジンカン 宮内庁神祇鑑定人・九鬼隗一郎 (講談社タイガ)感想
九鬼さんのいきなりのフルヌードでの登場やその体躯のみごとさに、容姿がだだだっとターミネーター(T-800)に脳内変換。まあ隻眼なのでスネークでもいいんだけど、ここはシュワちゃんで。犬神筋に生まれついた夏芽くんの計り知れない苦悩と絶望を思うと胸が痛いが、彼がやらかいキャラなので救われました。次巻もありそうな予感?
読了日:06月30日 著者:三田 誠

読書メーター




『ジンカン 宮内庁神祇鑑定人・九鬼隗一郎』は先月(だったかな?)に読了済みだったんだけど、すっかり登録を忘れていたので。
呪いを招く特殊文化財を専門とする、神祇鑑定人(通称ジンカン)が主人公の骨董品版ゴーストハント。
しかもこれがれっきとしたお役所仕事というのが斬新というかなんというか。
呪いあり魔術ありのどろどろバトルなんだけど、案外ライトな作風だったのですらすら読めました。

『インド倶楽部の謎』は、もうほんとうに久しぶりの作家アリスシリーズだったので、けっこうな長編であるにもかかわらず浮かれちゃって一日で読んじゃった。いやはや勿体ないことをしましたです、、、
もうね、久方ぶりにアリスに会えたってだけで8割がた満足です、わたしは。

『解決まではあと6人』は、さすが岡嶋二人!って感じで、カセットテープに仕掛けられた暗号の解読方法とかいろいろコアでひじょうにおもしろかったです。謎の女の意図が気になって気になって…。
じゃっかん拍子抜け間があったラストだけど、これを“ハードボイルドな探偵物語”だと思えばあの唐突であっさりとした結末もそれなりに都会的で乾いたクール感があっていいのかなあと思ったりも。

Posted by K@zumi

1月・2月に読んだ本のまとめ

硝子のハンマー 「防犯探偵・榎本」シリーズ (角川文庫)
KADOKAWA / 角川書店 (2012-10-01)
売り上げランキング: 9,935

ロートレック荘事件(新潮文庫)
新潮社 (2018-08-10)
売り上げランキング: 36,422

ドS刑事 さわらぬ神に祟りなし殺人事件 (幻冬舎単行本)
幻冬舎 (2017-03-15)
売り上げランキング: 22,117

マリオネットの罠 (文春文庫)
文藝春秋 (2012-09-20)
売り上げランキング: 18,227

秘密 season 0 7 (花とゆめCOMICSスペシャル)
清水玲子
白泉社 (2018-07-05)
売り上げランキング: 21,746


Posted by K@zumi

9月に読んだ本のまとめ

事故物件怪談 恐い間取り事故物件怪談 恐い間取り感想
読了後、怖かったという気持ちももちろんだけど、「タニシさん、こんな生活続けていて大丈夫なんかな?」ととても心配になりました。あかんやろ。ホンマあかん。しかし、世の中これだけ事故物件にあふれてるもんなんかな、と疑問に思ういうくらいアチコチにあるもんですね、ヤバい部屋。しかも、一度誰かが借りたらもう次からは事故物件であると告知されないとかイヤすぎる~
読了日:09月25日 著者:松原 タニシ

犬神の杜 よろず建物因縁帳 (講談社タイガ)犬神の杜 よろず建物因縁帳 (講談社タイガ)感想
はあ、今回もおもしろかった。前に坂東さんの『狗神』を読んだことがあったので、犬神筋に生まれ落ちた者の壮絶な歴史や昏い悲しみと絶望に彩られた人生が蘇って、ラストは憐れさに胸が詰まりました。あと、物語のサイズ的には仕様がないのかもしれないけれど、チームの登場から解決にかけてがやけにスムーズな気がして、もうちょいねちっこくじわじわと恐怖を溜めていって欲しかったかなー、という思いはあります。
読了日:09月25日 著者:内藤 了

サッド・フィッシュ 行動心理捜査官・楯岡絵麻 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)サッド・フィッシュ 行動心理捜査官・楯岡絵麻 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)感想
エンマ様シリーズ第4弾。今回は縦軸に絵麻の元彼との因縁が絡んでいて(しかも彼がサイコパスとかどんだけ)あんなに人間に対して生き馬の目を抜くような観察眼を持つ彼女でも、ホレた男にはひとりの女性だったんだなとすこし意外に感じました。最近は取調室を飛び出す設定が多いけれど、わたしは例えマンネリといわれようともワンシチュエーションで熾烈な心理戦を繰り広げるお話のほうが好きなんですよね。
読了日:09月25日 著者:佐藤 青南

黒い仏 (講談社文庫)黒い仏 (講談社文庫)感想
なんと!こーゆーことでしたかー。あの石動さんが狂言回しみたいなポジションでちょっとびっくり。やーもーアントニオ、キミ何者やねん。幻魔大戦かよ?歴代の名探偵の出来すぎで隙のない名推理を嘲笑うかのような真相。でもすっごく斬新でシュールでおもしろかったです。それになんちゅうか、、、『遊星からの物体X』ファンには小躍りしたくなるようなうれしい描写もあったりで、ハイ、参りました☆
読了日:09月25日 著者:殊能 将之

首無の如き祟るもの (講談社文庫)首無の如き祟るもの (講談社文庫)感想
【再読】やっぱ面白いよなあ、首無は。「びっくりする」とゆうよりは「あきれる」といったほうがいいのかしら。いい意味で。よー考えるわ、そんなこと。て感じ。ジャパネスクホラーのフィルターをしっぽりかけられて、そっちの雰囲気に惑わされていると、このお話(ミステリ)の決着がどうつくのか、ほんとうに混乱してしまう。おそらく何重にも騙しまくってくださるんだろうなあ。とゆう可憐な想いはまさしく成就されるわけです。
読了日:09月09日 著者:三津田 信三

よもつひらさか (集英社文庫)よもつひらさか (集英社文庫)感想
不気味なお話がぎっしりと詰まったホラーテイストの短編集。人間の思い込みの恐ろしさや身勝手さに翻弄され、抜き差しならないところへ引きずりこまれてしまう恐怖。特に表題作の後味の悪さは格別。ノスタルジックな風情ともあわさり、何とも甘く美しく残酷な物語で、体の芯から震えあがらせる。いやだもう。怖くてブラックで切ない『夢幻紳士 怪奇編』を想起。『家に着くまで』『夢の中へ』『生まれ変わり』も印象深い。
読了日:09月09日 著者:今邑 彩

ST警視庁科学特捜班  緑の調査ファイル (講談社文庫)ST警視庁科学特捜班 緑の調査ファイル (講談社文庫)感想
STチームの紅一点、超人的な聴力を持つ結城翠さんが主役。コンサートのリハーサル中に消えた、1億円の名器ストラディバリウスの謎をめぐり、ついには密室殺人事件までも発生してしまう!事件の解明ももちろんだけど、クラシック関係の描写がとても繊細で興味深く、ラストのコンサートシーンでは臨場感に胸が熱くなってしまった。菊川さんがますますチームになじんできて、どんどんかわいいおじさんになってきたゾ!
読了日:09月09日 著者:今野 敏


Posted by K@zumi

8月に読んだ本のまとめ

8月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:3056
ナイス数:343

ブラック・コール 行動心理捜査官・楯岡絵麻 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)ブラック・コール 行動心理捜査官・楯岡絵麻 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)感想
おもしろかった!あれこれと悪知恵を働かす憎たらしい犯人たちを手玉に取る様がなんとも痛快。エンマ様がお得意の「尖塔のポーズ」でもって反撃ののろしを上げると、待ってましたとばかりにこちらのテンションもアゲアゲに。最終話は15年前に彼女の恩師を殺害した犯人との直接対決。最後まで警察官としての任務を全うした絵麻の強さに胸がじーんとなった。
読了日:08月08日 著者:佐藤 青南

ST警視庁科学特捜班 黄の調査ファイル (講談社文庫)ST警視庁科学特捜班 黄の調査ファイル (講談社文庫)感想
密室状態のマンションの一室で、新興宗教団体の信者である若者4人の死体が発見される。『黄の調査ファイル』ってことで、今回のメインは山吹さん。それにしても泰然自若としている彼があんな過去を持っていたとはとても驚きだった。しかし、人間、心に余裕がなくなるとつい早とちりや勘違いをしてしまいがち。ちょっとしたすれ違いから生まれた悲劇は何とも憐れで救いがない。
読了日:08月08日 著者:今野 敏

金色天化 (新潟文楽工房)金色天化 (新潟文楽工房)感想
Kindle「prime reading」にて読了。無料で読ましてもらってホンマ申し訳ない!『アクション×ミステリ×ホームドラマ』新潟を舞台に、人の心を操る中世よりの秘術「天化」の継承者である主人公とその姉が怪事件に挑む。面白かったですねー。「天化」という能力はなかなかファンタスティックで魅力的です。新潟という舞台も、夫が新津出身なだけに自然とテンションが上がっちゃまいした。
読了日:08月21日 著者:ヤマダ マコト

鬼面村の殺人 新装版: 黒星警部シリーズ1 (光文社文庫)鬼面村の殺人 新装版: 黒星警部シリーズ1 (光文社文庫)感想
ちょっぴりエッチでふざけていて、胡散臭い登場人物や舞台設定が横溝チック。シュールな描写がオフビートな笑いを誘い、まるで『トリック』のドラマを見ているみたい。白川郷のその奥にある鬼面村。合掌造りの家が一夜で消え、次々に起こる奇怪な事件の裏に隠された真相とは!?ひたすら酷い目に遭い続ける黒星警部の「密室はミステリ・ファンの心のふるさと」はまさに名言なり。
読了日:08月21日 著者:折原 一

非在 (角川文庫)非在 (角川文庫)感想
非在なるものに踊らされた男たちの悲劇。憐れとしか云いようのない不幸な結末。しかし壮絶だった。善良なる、すくなくともほんの2、3か月まえまでは善良であった人間が、ここまで狂ってしまえるものなのだろうか。人魚、朱雀、仙人、蓬莱の島。ここでいったい彼らに何が起こったと云うのか。不気味な作中作を交えたサスペンスフルな孤島ミステリでありました。
読了日:08月27日 著者:鳥飼 否宇

異邦の騎士 改訂完全版異邦の騎士 改訂完全版感想
『異邦の騎士』とはそういうことだったのね。まさに想像の斜め上をいく作品でした。ミステリにありがちな感情のないパズルのような物語ではなく、記憶を失った男の絶望と再生、その苦悩を丁寧に力強く描き切った、人間群像劇としても実に骨太な作品でございました。終盤、漆黒の闇を纏い、鋼鉄の馬に跨って颯爽と登場する騎士の姿には惚れ惚れしてしまいます。かっこよかったわ~。
読了日:08月27日 著者:島田 荘司

美濃牛 (講談社文庫)美濃牛 (講談社文庫)感想
これだけの長編なのにまったく長さを感じなかった。ヒロインの窓音はわたしの中では終始「杉咲花」のイメージ。わらべ唄やら見立て殺人やら、サービス満点でむさぼるように読んでしまった。やー、楽しかったです。俳句のシーンもすごく面白くて、ちょっとやってみたいな、という気持ちにさせられた。また、陰惨な事件の中、幼馴染コンビの存在感が絶妙で、彼らの不器用であったかい友情にほっこり。
読了日:08月30日 著者:殊能 将之

読書メーター



2か月連続アップです。

しかし、今年の夏は暑かったですねえ。暑いからさぼってたわけではないんですが。
最近はシリーズものをちょこちょこと追いかけてまして、<STシリーズ><エンマ様シリーズ>
そして<観察者シリーズ>などにハマってます。やめられんわ。

7月8月で特におもしろかったのは、殊能さんの『美濃牛』と石持さんの『賛美せよ、と成功は言った』
やっぱ優佳シリーズは安定のおもしろさやね。
引きつづき殊能さんの賛否両論飛び交う『黒い仏』に進みたいと思っております('ω')ノ

Posted by K@zumi

7月に読んだ本のまとめ

7月の読書メーター
読んだ本の数:9
読んだページ数:2960
ナイス数:409

シェルター 終末の殺人 (講談社文庫)シェルター 終末の殺人 (講談社文庫)感想
“シェルターに逃げ込んだ初対面の人々の間で、なぜ連続殺人は起こるのか?”たしかに、この謎もとっても魅力的だけど、まず気になるのは『探偵スルース』(そこ?)。未見である。たいへん気になるではないか!他にも『解剖室殺人事件』とか、心躍るタイトルが目白押しで付箋の数がでらヤバい。三津田さん、筋金入りやね。すてき。でもってトリックに使用された憐れな屑ホラーの何本かは見ているという、あたしもアホだ。
読了日:07月13日 著者:三津田 信三

旧校舎は茜色の迷宮 (講談社ノベルス)旧校舎は茜色の迷宮 (講談社ノベルス)感想
実をいうと当初あまり期待をしていなかった(すみません!)が、とても面白かったです。設定は男性作家が書いたとは思えないくらいのキラキラ少女漫画なんだけど、中身はけっこうな昼ドラ風で、意表を突く犯人とビターな結末が印象的。本格のスパイスをふりかけた暗く悲しい青春残酷物語。しかし主人公の少女の行動には疑問だし、大人たちの人格はハチャメチャだし、最後まで感情移入はできなかったなー。
読了日:07月13日 著者:明利 英司

インサイド・フェイス 行動心理捜査官・楯岡絵麻 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)インサイド・フェイス 行動心理捜査官・楯岡絵麻 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)感想
“エンマ様”こと、美人刑事・楯岡絵麻シリーズ。2作目を読み飛ばしているので、じゃっかんネタバレっぽい記述もあったり?もしたんだけども気にしない気にしない。今回も痛快爽快で、ますますエンマ様のファンに。それにしても筒井さん、ええキャラしてるなー。和むわ。『新世紀のベートーベン』には思わずクスリ。最終話はホラー級に恐ろしく、たしかに現実的ではないにしても想像すると肝が冷えます。
読了日:07月13日 著者:佐藤 青南

生け贄 (講談社ノベルス)生け贄 (講談社ノベルス)感想
てっきり短編集だと思っていたら長編だったといううれしい誤算。なにかと巻き込まれ体質の猫さんが今回遭遇するのは、怪しげな新興宗教の教祖宅で発生する不可解な連続殺人事件。生き物ネタは控えめながらも、横溝ばりのどろどろとした人間関係や「タイガ」様の意外な正体など、さまざまなところに意表を突かれて、またもや観察者シリーズきっちり堪能いたしました。しかし猫さん、あんだけ世話になっていながら、かなりの心臓の持ち主やんか。
読了日:07月19日 著者:鳥飼 否宇

レスト・イン・ピース 6番目の殺人鬼 (角川ホラー文庫)レスト・イン・ピース 6番目の殺人鬼 (角川ホラー文庫)感想
騙された。たしかに違和感はあったし、なんかこう分かりそうで分からないさじ加減とかほんま絶妙で、ラストまでうまい具合にミスリードされてしまった。お約束のホラーな雰囲気ももりもりで、そしてしっかりとミステリ。雪冨作品、わたしはすきなんだよなあ。あのいろいろと大げさな感じもグー。おもしろかったです。とにかく犯人がとことんクズのゲスで、最期はもうちょっとずたずたにやったらんかい!と思ったとかなんとか。次回作も楽しみです。
読了日:07月19日 著者:雪富 千晶紀

ST警視庁科学特捜班 赤の調査ファイル (講談社文庫)ST警視庁科学特捜班 赤の調査ファイル (講談社文庫)感想
STのリーダー、対人恐怖症でワイルドな風貌に男の色気を感じる寡黙な赤城さんが主役。大学病院側の医療ミス隠ぺいをめぐって、自らの過去と対峙する彼の苦悩と決意がメインの骨太な作品。犯人の心情は分からなくもないし、理想と現実の折り合いは非常に難しいことも理解できるが、理不尽な人命の犠牲の上に成り立つ正義などないのだと痛感させられる。しかし憎たらしい教授を最後にはぎゃふん(←死語?)と言わせてくれて気分がスカッとする。まさにデトックス本であった。
読了日:07月19日 著者:今野 敏

賛美せよ、と成功は言った (ノン・ノベル)賛美せよ、と成功は言った (ノン・ノベル)感想
なんの共感も好感ももてないのに気になってしようがない最恐の女、碓氷優佳シリーズ第5弾。ただし今回は第三者の目線から語られてるせいか、初めて優佳を応援したい気持ちになりました。敵にするとたしかに恐怖だけど、味方となればこれほど心強い相手はいないよね。華やかなエリートたちによるひりひりとした頭脳バトル。しかしこんなに感情を誘導されたら、本当にこわいな。
読了日:07月29日 著者:石持浅海

スクランブル (集英社文庫)スクランブル (集英社文庫)感想
80年代を背景に、名門女子校で起きた殺人事件を縦軸とした、現在と過去が交錯する連作短編集。構成がお見事、巧みなミスリードにもやられた。なにより、17歳の少女たちの描写がリアルで瑞々しくて、ザ・同世代としては郷愁を誘うほろ苦い青春群像としてきゅんきゅんしながら読んでいました。青春の軌跡が鈍い痛みとなって切なく胸に迫る、珠玉の学園ミステリだと思います。
読了日:07月29日 著者:若竹 七海

憑き御寮 よろず建物因縁帳 (講談社タイガ)憑き御寮 よろず建物因縁帳 (講談社タイガ)感想
血が濃いが故の確執。執着。怨念。そういうのはほんま業が深い。傷つけ奪うことでしか己を得心させられない悲しさ。罪深さ。死してなお彷徨い、呪い、欲しつづける。浅ましいといえばそうなのかもしれないが、そんな風に生れ落ちてしまったのは、彼女たちのせいばかりではないのにね。狂気は死霊となり、男を取り殺してゆく。なんとも憐れでやり切れない。哀しくも恐ろしい情念のお話でございました。
読了日:07月29日 著者:内藤 了

読書メーター


Posted by K@zumi

6月に読んだ本のまとめ

6月の読書メーター
読んだ本の数:10
読んだページ数:3101
ナイス数:522

金魚姫金魚姫感想
ちよもかわいかったけど、ここのリュウもものすごおおおくかわいい。荻原さんの描くお化けの女の子はなんでこんなに愛おしいんだろう。最強。それだけに、彼女の背負い続けてきた耐え難い痛み、また潤がいいヤツなだけに、その切なさは計り知れない。世代を超えて時空を超えて、ただひらすらに恨み続けたまま転生を繰り返すことは、想像を絶するほどに辛く悲しいことだ。美しい金魚はちゃんと成仏できたと信じたい。泣いて笑ってぐっときて、素敵なお伽噺でした。
読了日:06月10日 著者:荻原 浩

ミステリークロックミステリークロック感想
TVドラマで見た作品もちらほら。実は原作を読むのは本作が初めてでしたが、不死身のメンタル青砥&策士榎本の夫婦漫才(?)がツボにはまってすンごい楽しかった!肝心のトリックに関してはとてもフクザツで半分以上アタマに入ってないけれど(すんません)、畳みかけるような推理の展開にはよくわからないながらも圧倒されてしまいました。また『コロッサスの鉤爪』では被害者があまりにもクソすぎて、もう犯人ダイオウホオズキイカでええやん?って感じっす。
読了日:06月10日 著者:貴志 祐介

妖奇庵夜話  その探偵、人にあらず (角川ホラー文庫)妖奇庵夜話 その探偵、人にあらず (角川ホラー文庫)感想
『その探偵、人にあらず』というタイトルからホラーの香りがむんむんなのですが、それほど怪奇に満ちた怖いお話ではありませんでした。「人間」とヒト変異型遺伝子をもつ「妖人」なる亜種が混在するパラレルワールドが舞台。探偵役の洗足伊織の出で立ちは不愛想な歌舞伎役者みたいで、わたしのなかではクールな尾上松也さん的なイメージかしらん。ええ男や。“あたし”って言葉も似合いそうやし。その伊織さんにもまだまだ秘密がいっぱい。次巻が楽しみです。
読了日:06月10日 著者:榎田 ユウリ

届け物はまだ手の中に届け物はまだ手の中に感想
のどかな誕生パーティー。なんてことない昔話に花を咲かせつつも、頭のなかは目まぐるしく回転。相手の一挙手一投足に全神経を集中させながら慎重に腹を探り合う。軽快な会話とは裏腹に、刺すような緊張感で手に汗握ってしまう。まさに石持作品の真骨頂ともいえる変形型密室心理劇。くどくど推理しまくる主人公の思考が圧巻。おもしろかったー。ラストはブラックな落ちで、不謹慎ながらニマニマしてしまう。やっぱり石持ワールドに登場する女性はみんな強くてとびきりコワい。
読了日:06月12日 著者:石持 浅海

物の怪 (講談社ノベルス)物の怪 (講談社ノベルス)感想
あな恐ろしや。『物の怪』のタイトル通り、背中が粟立つ3篇の物語。登場する河童、天狗、鬼、それぞれの民俗学的な蘊蓄部分はもちろんのこと、それらがトビさんのテリトリーである「生き物」として解釈される部分には、これぞ観察者の面目躍如といった感じでとても興味深かった。それぞれの不可解な謎は論理的に解決はされるものの、物の怪に取り憑かれた人間のおぞましさに、読了後は心底ぞっとするのです。
読了日:06月24日 著者:鳥飼 否宇

時鐘館の殺人 (中公文庫)時鐘館の殺人 (中公文庫)感想
ホラーにSF、本格物と、バラエティーに富んだ短編集。どの作品もぴりりとスパイスが効いていてとても楽しかった。適度にハラハラ適度にぞわぞわ、ユーモアもあり、ラストはお約束通り「ををっ」とひっくり返してくれる。さすが安定のおふくろの味。表題作の「読者からの挑戦状」ってそーゆーことだったのね。なんてお茶目な趣向。今邑彩アッパレ!『恋人よ』のサスペンス感はベタだけど効果てきめんでございました。
読了日:06月24日 著者:今邑 彩

ST警視庁科学特捜班 青の調査ファイル (講談社文庫)ST警視庁科学特捜班 青の調査ファイル (講談社文庫)感想
あー、おもしろかった。怪しげな心霊特集モノはTVでも大好物なので、今回の舞台がまさに「心霊スポットのマンション」ときたらもう可憐な胸は躍る踊る。テンプレート的な敵役キャラの川那部さんもエエ感じやし、STチームと所轄の刑事たちが次第に心通わせていくところも、捜査ドラマの高揚感を味わえてわくわくする。また「霊能者」と呼ばれる人のちょっとした秘密も分って、いろんな意味で納得したのでした。
読了日:06月24日 著者:今野 敏

去年の冬、きみと別れ (幻冬舎文庫)去年の冬、きみと別れ (幻冬舎文庫)感想
救いようのない人たちが集う、音のない狂気の世界。さらさらと読めていくのに、まわりの気温はどんどん下がってくる。ひとりきりで読むのがなんだか怖くて、できるだけにぎやかな場所で読むようにしていた。人があちら側に行ってしまうのは、そんな風に生まれついたからなのか環境の加減なのか、その辺のところはよくわからないけれど、純粋であるが故の悲劇の前には全てが無力なのだと、思わずにはいられなかった。
読了日:06月27日 著者:中村 文則

レモンタルトレモンタルト感想
透明感のあるしっとりとした風情のある文章。そこだけ時間が止まっているかのような世界観。正味の話、主人公の境遇はかなり悲惨で理不尽この上なく、読んでいて「ひでえなあ」とちょっとだけ胸糞わるくもなるんだけど、最終的には甘酸っぱく絞められており「よくもまあこれだけ(男に)モテるわ」といった感想に。義兄のお母さまがなんとも男前で、あの感覚は女性作家ならではなものかもしれないと思った。
読了日:06月27日 著者:長野 まゆみ

亡霊の柩 (本格ミステリー・ワールド・スペシャル)亡霊の柩 (本格ミステリー・ワールド・スペシャル)感想
ごくごくと水を飲むように言葉が身体に入ってくる。あっという間に読んじゃった、シリーズ最新作。吉田さんの本は読み始めると止まらないのよね。ただし今回はオカルト色は薄め。グロもほとんどなし。そのおどろおどろしさは少ない分、事件の様相は複雑多岐。人間関係も入り組んでいて、凶器のトリックもかなりぶっ飛んでる。あんなんアリかよ?いやー、いろいろ勉強になるなあ。次回作は怪奇ムードむんむんでお願いいたします♪
読了日:06月29日 著者:吉田恭教

読書メーター




6月はなんとか10冊をクリアできました。にっこり。

ここ最近、感想をこまごま書くのがじゃっかん面倒になってきて
どんどん手抜きになってきつつあります。やっぱアレかしら。年かな?


地元のフォトクラブに入れてもらうことになりました。
女の人ばっかりで人数も十人足らずの小さな会なので、気楽にできそうです。
18日には紹介もかねて初ミーティング&ランチ。
キンチョーするなあ。

Posted by K@zumi