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ONE 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子

ONE 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子 (角川ホラー文庫)
KADOKAWA / 角川書店 (2016-07-23)
売り上げランキング: 6,518

新人刑事・比奈子の故郷長野と都内で発見された幼児の部分遺体は神話等になぞらえて遺棄されていた。被虐待児童のカウンセリングを行う団体を探るなか深手を負った比奈子。一方、脱走した連続殺人鬼・都夜は……。


比奈ちゃん、愛されてるなあ。

犯人確保と比奈子救出に一丸となるチームの思いが熱い。
そして今回も三木&麗華のファインプレーが光る。ええコンビや。

ネグレクトや虐待をうけた子どもだから魂のない悪鬼のように育つとは云い切れないけれど、
それでも子どもの未来や人格を左右するのは
少なからずわたしたち大人の責任であることは痛感する。

クレイジーな都夜が比奈子への復讐心に燃えて脱走したはいいが、
本丸で真打登場とばかりに颯爽と雨合羽降臨した矢先
永久にすりっとお株を奪われる結果に…。

彼女死にきれんね。

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Posted by K@zumi

私の消滅

私の消滅
私の消滅
posted with amazlet at 16.08.27
中村 文則
文藝春秋
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このページをめくれば、あなたはこれまでの人生の全てを失うかもしれない。一行目に不気味な文章が書かれた、ある人物の手記。それを読む男を待ち受けるのは、狂気か救済か。
重度の鬱病にかかった女性を愛した精神科医。彼女を死なせないために施した治療は、記憶障害を引き起こす危険を伴うものだった…。


怖い小説を読んでしまった。

『ダ・ヴィンチ』8月号で作者の特集記事を読み、興味がわいて借りてしまったのだけれど、、、
ああ、ほんまにえらいもんを読んでしもうた。

あんまり書くとネタバレになってしまうからアレなんだけど……
「洗脳」という禁断の暴力で、脳を、記憶を、人格を蹂躙する、人の悪意の底知れなさに吐き気がする。
人が人によって意図的に初期化され――あるいは改ざんされ――「私」という空っぽの入れ物に他人の記憶や感情で息ができないほどに埋め尽くしアイデンティティが消滅していく不気味さを、それぞれの「私」の視点からミステリ仕立てで語られていく。
この残酷な物語を読んで、中村文則という作家は、人間の悪意というものに対してまっすぐに容赦なく向き合う人なのだなという感想を持った。深淵をのぞきすぎて怪物になってしまわないか心配なくらいに。
それに、よくある「あのトリック」がこのような形で禍々しく成立していることにも驚いた。

人を愛することも憎むことも、喜びも悲しみも、夢も希望も絶望すら、すべては記憶が支えているというのなら、それを失った「私」は果たして「私」なのか。「私」は誰でどこへ行ってしまうのか。
自分の記憶や感情を他人に植えつけたからといって、その者が自分とまったく同じ人格になるとは考えにくいけど、でもそうやって他人の自我を破壊し別人のストーリーを上書きすることがほんとうに可能だとしたら、「私」とは「心」とは「死」とはなんなのかわからなくなってしまう。

よく、“神様は乗り越えられる人にしか、試練を与えない”というけれど、世の中のあらゆる苦悩や耐えがたい苦痛を強いられそれによって精神を根こそぎ壊されていく人たちの壮絶さを思うと、そんなのは退屈な神さまのほんのちょっとした気まぐれによる悪ふざけ、ただの暇つぶしなんじゃないかと思う時がある。
それはこの物語に登場する「吉見」のように。神さまにも罰が当たれば、それこそすっとするかも。

主人公は彼らに悪魔的な復讐を遂げているようでいて、ある意味自分を罰し自分を痛めつけ、哀しい記憶と共に自分自身を崩壊させたかったのかもしれない。
また文中に差し込まれる宮崎勤事件についての考察もたいへん興味深かった。

Posted by K@zumi
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