逆境ナイン

逆境ナイン 全力版 [DVD]
バップ (2006-01-25)
売り上げランキング: 67,756

突然、校長から廃部を言い渡された全力学園野球部キャプテンの不屈。廃部をはね返すためには甲子園に行くしかない!かくして不屈による猛特訓が始まるが、不屈自身が右腕を負傷したり、ナインの面々が様々なトラブルに見舞われて出場が無理な状況になったりと様々な“逆境”が野球部の行く手を阻んでいく。はたして野球部の運命は?


ものすごく荒唐無稽でどうしようもないギャグ満載のスポ根青春ムービー。
弱小のため廃部を余儀なくされた全力高校野球部が、キャプテンの不屈闘志を先頭に、甲子園へのキップを勝ちとるため数々の考えられないくらいの逆境にもうぜんとたちむかう、まさに「これぞ男の生き様!」って感じの激闘ストーリー。 そう。ノリは『少林サッカー』なのですね。

全体的にあり得ないくらいマンガなんだけど(原作はやはり超絶コミックらしい)主人公のやたらエネルギッシュな濃ゆ~いキャラが、けっこうぴったりきてて、演技なのかある意味"素"なのか、どうにもよくわかんない感じが、玉山くんの熱血なんだけどさらりとしたかっこよさに不思議とマッチしてたような。
他のナインもじつに個性的で、びもーに変態っぽくて、よくつくられていたなあ。
ヒロイン堀北真希ちゃんもとってもかわいい。
藤岡弘、さんのとんでもなくカリスマ的な校長役も、くるしいくらい当たりかも。

いろいろと傑作な語録もたくさんでてきてたのですが、特にですね。
意味なくプレスリー風の衣装をまとった野球をまったく知らない胡散臭い監督役をほんとうに無駄にスマートに演じてらしたココリコの田中さんが重々しくのたまう

『 それはそれ。これはこれ 』

というのがすごおおおくおかしくて、いつまでもゲラゲラ笑ってました。

ラストの決勝戦では点差112対0とゆうはかりしれない逆境に「透明ランナー制」(こんなの知らなかったよー)の導入によって、不屈くんたったひとりで朝までかかって、みごと試合をひっくり返すとゆう魔法のようにあり得ない展開。でも、これがなかなかさわやかなんだなぁ。
でもって舞台がなぜかオール三重県なのも、ご愛敬なのですねー。

『下妻物語』ほど完成度たかく洗練された(?)作品ではないのでしょうが、これはこれで岡村孝子さんの清らかな声の「夢をあきらめないで」にのせて、あつき魂の叫びと汗がほとばしる青春エンタテイメント作品になっておりまする。

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Posted by K@zumi

サスペクト・ゼロ

サスペクト・ゼロ [DVD]
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント (2005-08-24)
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不可解な3件の殺人事件。まぶたを切り取られ、眼球をむき出しにされた死体には、”Φ”のマークが残されていたー。FBI捜査官マッケルウェイに送られてくる、膨大な量のファックスとスケッチ。それらに秘められた手がかりから、被害者達の恐るべき共通点が次第に明らかにされていく。


ダークでスタイリッシュな映像にしょうしょう頭がくらくらしました。
これ、たしか「あの『セブン』を超えた!」というふれ込みだったと思いますが。

"サスペクト・ゼロ" とは、特定の犯行パターンを残さないため同一犯として捜査線上にあがってこない隠れシリアルキラーのことをいうらしい。
で、それを特殊な能力(予知とか遠隔透視とかっていう超能力)を駆使して秘密裏に犯人をつきとめては自らの手で制裁をくわえる元FBIを名のる謎の男と、その彼とひょっとしたら同じような能力をもっているかもしれない主人公である左遷FBI捜査官との息づまる攻防。というか、セッション。
TVドラマの『ミレニアム』みたいな感じかなあ。

もっとプロファイリング系の映画かと思っていたので少し残念な印象。
すごく猟奇的なサイコ・サスペンスなのに、全体がだらんと中途半端な感じでちょっぴり退屈。
最後までのめり込みにくかったですなあ。
なによりこの手の物語のわりにはオチに圧倒的な衝撃がなかったような…。
(ちうか、そもそもオチなんて存在してたのだろうか??)
演出にもあまり新鮮味を感じられなかったように思えたし、どうにも使い古した感じの展開になってしまったのは否めない気がします。

なんてひどいことばかり書いてしまってますが。
プロット自体はすごく好みだし、重厚で沈鬱な雰囲気はぞわそわしてよかったし、悪夢のようなさまざまな幻惑シーンの映像もすごくきれいに撮られていたし、ベン・キングズレーをはじめキャスト陣もとっても魅力的だったです。
キャリー=アン・モスは「トリニティ」ほどの存在感はなかったとしてもしっとりとかがやくクールビューティでございました。(あの髪型かわいい!!)

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Posted by K@zumi

花とアリス

花とアリス [Blu-ray]
花とアリス [Blu-ray]
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ポニーキャニオン (2012-09-05)
売り上げランキング: 6,129

岩井俊二監督が、高校生たちの揺れ動く心情をリリカルで繊細なタッチでつづった青春ドラマ。ネットで配信した4つの短編が、長編作品として再構成された。あこがれの先輩を「記憶喪失」だと信じこませ、つき合い始める花と、彼女の親友アリス。3人の微妙な思いがもつれていく。


ふたりの少女のゆれ動く繊細な気持ちを、ほんとうに等身大の描写でやさしく丁寧にポストイットしていったようなぴゅあでかわいくて切ない映画。

もう呆れるほどに甘ったるい少女漫画なストーリーなわけで。

鈴木杏ちゃんや蒼井優ちゃんのすごくリアルで心にするっと忍びこむような演技が、ノスタルジックに撮られた映像のなかのたくさんの花々の鮮やかな色彩とか、むせかえるような潮のにおいさえ感じられそうな季節はずれの海の景色とか、湖のつめたい水の透きとおった感じとか、なぜか美味しそうに見えるところてんとか、まぼろしのように美しいバレエシーンとかに信じられないくらいに溶けあって、とてもとてもリリカルで清々しい心地になる。

青春の日の淡くはかない想いと甘く鈍い痛み。
しずかに、そして確実に成長していた、二度と来ないいとしい時間。

意味もなく、ちょっとセンチな涙が恋しいとき。
感動とか感激とか、そんな大げさなものじゃなくてもただほけーっと眺めながらぬるいコーヒーを飲み、フツウにぽろぽろ泣いているのもたまにはいいものですよ…ねぃ?

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Posted by K@zumi

メゾン・ド・ヒミコ

メゾン・ド・ヒミコ Blu-ray スペシャル・エディション
TCエンタテインメント (2012-09-05)
売り上げランキング: 70,918

オダギリジョー、柴咲コウ主演で贈る、せつなさと温かさ溢れる愛の物語。
塗装会社で事務員として働く沙織。ある日、彼女のもとに若くて美しい男・春彦が訪ねてくる。彼は沙織と母を捨てて、ゲイバーを継いだ父の恋人だった。沙織は父を嫌い存在さえも否定していたが、彼と出会い少しづつ心に変化が生じてくる…。


ずっと見たい!!と思っていた作品なのでした。オダギリジョーだし。
いンやぁ。いい映画でしたよー。動機は不純でも。ホロっとしちゃった。

テーマとしては生と死や老人問題や偏見などつらくて深いものがあるのですが、重くなりすぎず、やさしくて切なくて、ちょぴり笑いもありダンスもありで、ユルく流れていきながらも最後まですこしも飽きることなく楽しめました。
それに建物の感じも、家具も、小物も、さり気なくおしゃれで洗練されていてまるで日本じゃないみたいにめちゃくちゃかわいい! でもそれが全然不自然じゃないのは、俳優さんのかもしだす雰囲気とか、余裕とか、たしかな品の良さとかにあるのかもしれない。

柴崎こうさんはとても表情豊かで、むつかしい役所をけっして嫌みにならずにものすごく真摯にチャーミングに演じてらっしゃいました。
それに最初は考えられないくらい気の毒げな不細工メイクだったんだけど、物語がすすむうちに、まるで卵のうす皮がじんわりはがれていくようにどんどんかわいくピカピカになっていく。 良い女優さんですね。

オダギリジョー氏もとってもきれい。 かっこいいではなくて、きれいなんです。いえ、かっこもいいんだけど。ナチュラルな物腰と哀しそうな瞳が、トラウマになりそうなくらいすてきだった。
バックシャンという言葉がありますが、彼はうしろ姿がすごく鮮やかでいい感じ。
しっかし、ほんとうに色んな役をそつなくこなしますよね~、このひと。日本版ジョニー・デップとでもいうの?

また、死に瀕しても凛とした姿勢をくずさない伝説のヒミコを演じてらっしゃった田中泯さんというクールな方。 するどいまなざしとたおやかな振る舞いで、とても清らかなオーラにあふれてる。
役者が本職ではないらしいのですが、すばらしい存在感でした。
そして彼らをそおっと見守る心やさしきゲイの人たち。(もちろん役柄だけど)

挫折と再生や、性とか死をものすごい愛と執念でまっすぐに見つめられる、よしもとばななさんの小説がすきなひとには、直球でぐさっとくるんじゃないかな。

さまざまな頭のいたい問題はけっして解決されたわけではないのですが、ラストシーンはやわらかい秋の日差しのような温もりがあって、家族でクリームシチューを食べてるような、しあわせな気持ちになりました。
春彦とサオリはこれからもずうっと、人として(異性としてじゃなく)いつまでも求め合って許し合っていけたらいいな、そんな風に思いました。

「ピキピキピッキー」は、ほんとうにすてきな魔法の呪文であったのでした!

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Posted by K@zumi