ケイティ

ケイティ コレクターズ・エディション [DVD]
ポニーキャニオン (2004-04-21)
売り上げランキング: 173,318

脚本家、スティーブン・ギャガン初監督作となるサスペンス。
女子大生のケイティは、2年前に起きた恋人・エンブリーの失踪により心を傷めていた。その事件の新たな担当として、刑事のハンドラーがやってくる。すると、今度はケイティの友人が失踪し…。


主人公の優秀な女子大生ケイティはとってもハンサムな男性から求愛されまくりで、信じられないくらいモテモテライフなのに、彼女は自分の魅力に気づいてなくて(むしろ自分をパッとしないダサイ女だとせつなく思いこんでる感じ)それどころか、そんなハッピーなできごとを素直に認識すらできずにいるのです。ああ、なんてもったいない!と凡人は思うのだけれど。
そしていつもすこし哀しそうな瞳をしていて、あまりしあわせそうではありません。

またケイティには幼いころ父親が自分と母親をのこして家を出てしまったことや、それによってたいへんな苦労をして奨学金により今の有名大学への進学をはたしまいにち懸命に勉強をして、就職活動もしっかりしてるとゆうことなど、見ていて苦しいくらいものすごおおおくがんばり屋さんな学生なのですね。
でもその「父親に捨てられた」とゆう悲しい事実が痛ましいトラウマとなって、やがてそんな心の闇が、彼女の悲劇へとつながってしまうのですが、、、
その姿はただただやるせなく、かわいそうでなりません。でもそんなちょっとだけ不幸のオーラが出てて、内向的な女の子の役柄がケイティ・ホームズの可憐でけなげで儚げな雰囲気にぴったりでした。

物語のラストにはどんでん返しが待っているのですが、演出のせいか途中で見当がついてしまうのが、すこーし残念な気がしました。
しかしその結論にいたったとき、これまでの不可解で小骨がのどにつかえたような感覚はするするとなくなりすべての行動や発言にちゃんと意味が通ってくる感じがちょっと快感。
キャストでは、ケイティの失踪した元彼の捜査を担当することになったむかしアルコール依存症だった(柔和そうでとてもそんなふうに見えない!)という過去を持つ、大人っぽくて実直な刑事のウェイドという人物。
これがまだかっこいいころの三田村邦彦さんにちょっと似てて、個人的にツボ。

ではどのくらいツボかというと、『イン・シティ』でのわし鼻メイクのやたら暑苦しいベニチオ・デル・トロをみたとき、こ、これはルー大柴だ!と直感してしまった。
とゆうか、ルー大柴さんがもっと円熟味をだしてぐっと渋~くなったらひょっとしたらハリウッドでもじゅうぶん通用するのかもしれないっ!?と半分マジで思ってしまったくらい。…なんちって。

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Posted by K@zumi

そして誰もいなくなった

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砂漠の中にある宮殿に集まってきた10人の招待客たちが、やがて〈マザーグースの歌〉の内容と同じように一人ずつ殺されてゆくというミステリー映画。製作はハリー・アラン・タワーズ、監督は「らせん階段」のピーター・コリンソン。アガサ・クリスティの原作を基にピーター・ウェルベックが脚色。


アガサの有名すぎるこの『そして誰もいなくなった』は、たくさんの人々にふかく愛され、さまざまな監督の手によりさまざまに映像化されています。
そんななかに舞台が砂漠のド真ん中で、しかもラストがとんでもないしっ!てのもありまして、それがこのP・コリンソン版であります。
キャスト陣もかなり豪華、と申しますかいろんな意味で濃ゆ~いメンツぞろいで、しかも謎の声の主はオーソン・ウエルズってんですから、あなた!なにげに期待しちゃうでしょ?

しかしながらこちらの作品はストーリー的には原作ファンにはしょうしょう興ざめ(ケンカ売ってる?的)な脚色になっているわけでして、でもまあこれだけ違えばいっそ清々しささえ感じられるのではないでしょうか、とか?ちとキビシイな。

わたしのすきなアガサ作品としては、アルバート・フィニーがとにかくすばらしい名作『オリエント急行殺人事件』はもちろん、『地中海殺人事件』や『ナイル殺人事件』もよかったなあ。
(ああ、ミア・ファロー!『ローズマリーの赤ちゃん』)
なにもかもがゴージャスでまばゆい輝きにてらされた夢のようなミステリ。至福です。

しかししかし、アガサ原作で傑作なのは、やはりワイルダー監督の『情婦』でしょうねー。
邦題が"そのまんま"で悲しいくらいセンスないんだけど、内容は極上。
今ではこの手のどんでん返しは特に珍しくないのでしょうが、はじめてみたときは、まさに度肝をぬかれた感じがしたものでした。


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Posted by K@zumi

シャドウ

シャドウ (創元推理文庫)
道尾 秀介
東京創元社
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人は、死んだらどうなるの?―いなくなって、それだけなの―。その会話から三年後、凰介の母は病死した。父と二人だけの生活が始まって数日後、幼馴染みの母親が自殺したのを皮切りに、次々と不幸が…。父とのささやかな幸せを願う小学五年生の少年が、苦悩の果てに辿り着いた驚愕の真実とは?
いま最も注目される俊英が放つ、巧緻に描かれた傑作。本格ミステリ大賞受賞作。


読むのがすごく遅いわたしだけど、これは一日で読めちゃいました。もうすらすらと。
なにしろ主人公親子の名字が"我茂"ということからもしかしたら「あの作品」に対するオマージュかも!?
な~んて意味深なこと聞いちゃったりしたら、読まないわけにはいかないじゃん!て感じ。

とにかく「あの作品」がすさまじい叙述トリックだったもので、ある意味こちらもちょっと身構えちゃったりなんぞいたしまして。ひょっとしたらこの親子関係もさかさまなんじゃないか、とか。
学校に行ってるといってもやっぱり生徒とは限らないんじゃ、、、とか。
そりゃあもうむだにいやらしく、バカみたいに穿ったまなざしで。

というのもですね、小学5年生という幼い設定にしてはこの凰介という少年。えらく達観してるようなところがあるんですもの。
聡明な頭脳と豊かな思慮をもち、こぼれそうな愛で父を慈しみ、亡き母を愛し、ほのかな想いをよせる可憐な友人をかなしい痛みから救いだそうと奮闘し、そしてくもりのない瞳と秩序でもって生々しい現実と真摯に対峙しようとする。ほんとうに子ども??
な~んて。ささやかな悪あがきをしていたのも途中までで、あとはもうひたすらこの息づまるサスペンスをみつしり堪能することに。

ラストは決して後味の良いものとゆうわけではないのですが、にゃるほどそうきたか!感はばっちりです。
すばらしいミスリード。上手いよね。まるで二転三転するヒッチコック映画をみているみたい。
そう。まさにミステリの醍醐味はそこにあるわけで。心地よく騙されないといけません。

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Posted by K@zumi

探偵ガリレオ

探偵ガリレオ (文春文庫)
東野 圭吾
文藝春秋
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突然、燃え上がった若者の頭、心臓だけ腐った男の死体、池に浮んだデスマスク、幽体離脱した少年…警視庁捜査一課の草薙俊平が、説明のつかない難事件にぶつかったとき、必ず訪ねる友人がいる。帝都大学理工学部物理学科助教授・湯川学。
常識を超えた謎に天才科学者が挑む、連作ミステリーのシリーズ第一作。


常識をこえた謎に挑む痛快ミステリですが、同時に科学のすばらしさを説く理系ヲタにはたまらない一冊なのかも?
ただ、デンジロウ博士とはじゃっかんキャラが違うかもしれません。
奇妙キテレツなできごとを、まるでマジックの種明かしをしちゃうようにするすると解きあかしてしまうという、まことに夢のないお話。 などと。身もふたもないことを云ってみたりして。

ここでホームズ役をつとめるのは「帝都大学理工学部物理学科助教授」なんつうものすご~い肩書きをもった、湯川学というしょうしょう変わり者の人物。
で、ワトスン役が彼のふるい友人で警視庁捜査一課の刑事で人が良くて理系オンチでなんとも愛すべき人物、草薙俊平。
偏屈科学者が探偵役という設定には、あの犀川先生がいらっしゃいますが。 事実だけを真摯に見つめ物事をきちんと理論的に考えられるという点においては、科学者というのは探偵としてやはりうってつけなのかしらね。いやになるくらい記憶力がいいもの、たとえようもなく憎たらしいわけで。

説明のつかない奇怪な現象を科学の力でもってばっさり切って捨てる姿は痛快。
実際のトリック(原因)の解説自体はそれほど理解できなくても、こんなむちゃくちゃな出来事にもちゃんと説明がつくんだ!とゆうことに感動。むむう。人間ってやつはかしこいなあ。
これじゃあ、ほんとうに「この世には不思議なことなど何もないのだよ」になっちゃうじゃないですか?
ああ、韮澤潤一郎さんはますます形見がせまくなっちゃって気の毒~。

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Posted by K@zumi

月館の殺人

月館の殺人 上  IKKI COMICS
綾辻 行人
小学館
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月館の殺人 (下)
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綾辻 行人
小学館
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まだ見ぬ祖父に会うため、生まれて初めて鉄道に乗車する沖縄の女子高生・雁ヶ谷空海。
雪の北海道を行く特別急行〈幻夜〉で、彼女を待ち受ける運命とは…?
綾辻行人×佐々木倫子 未曾有のタッグで贈る、至極の鉄道ミステリ。


鉄道。密室。胡散臭い登場人物。閉ざされた吹雪の豪邸。惨殺されゆく人々。
そして死体のそばに残される、ある"サイン"の描かれたカードの謎。
アヤツジ流新本格の本領発揮的プロット。まさにこれ以上ないくらいお約束なストーリー展開。
やがて超豪華寝台列車<幻夜号>の考えられない秘密があかされようとする上巻の終わり方は、なかなか秀逸なのではないかと。

もう鉄道にかんするあらゆる蘊蓄がてんこもりで、どいつもこいつもあやしさ満点。
とにかくヲタク魂とゆうか、ヲタク愛にあふれまくった内容なわけなのですねー。
ひとつのものにふかく執着するひとの気持ちがきゅうきゅう伝わってきて、哀しいほどコミカルで、せつないくらいリアル。愛すべき、、、とまでは思わないけれど、おばかで憎めないキャラには好印象。
「テツを憎んでいるのは、テツ。しかし、テツはテツを憎んでも鉄道は憎まず」ああ。名言だよなぁ。

これぞ綾辻ワールドの真骨頂!ともいうべきスケールのでかいトンデモな発想。
どう考えてもあり得そうもないことが、この方のなかではふつうにアリなのですね。
一瞬、氏の館シリーズをほうふつとさせるかのようなその題名もなにげにファンのはぁとをくすぐるのです。
しかしですね、肝心のトリック自体はそれほど斬新なものとゆうわけではなく、コアなミステリファンにはしょうしょう物足りなさを感じるかもしれませんね。

けれど、"テツキラーによる血みどろで陰惨な連続殺人"というねっとりとうす昏くシリアスな物語なのに、佐々木さんのもつやわらかい作風とあちこちにかまされるユル~い失笑系ギャグとの心地よいコラボによって、「あまり敷居の高くない、もっと気楽にたのしめる本格ミステリはいかが?」といったやさしい心遣いのようなメッセージにもうけとれて好感度大。

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Posted by K@zumi

ゴースト・オブ・マーズ

ゴースト・オブ・マーズ [DVD]
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント (2003-01-22)
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西暦2176年ー地球人は火星を植民地化していた。そんなある日、謎の古代遺跡を発見した人間の手により、禁断の封印が解かれてしまう。それは火星の先住民族の亡霊たちを閉じ込めていたパンドラの箱だった…。永い眠りから覚醒した亡霊たちは肉体を求めて人間に憑依。邪悪な怪物に変貌したヤツらは次々と人間に襲いかかる!この非常事態を打破すべく火星警察MPFのメラニーと犯罪者ウィリアムズらが協力、火星を舞台に生き残りを賭けた死闘を始める。最期に生き残るのは、人間かそれとも…。


まず、あなたはジョン・カーペンターファンでしょうか?
これは、カーペンターファンの、カーペンターファンによる、カーペンターファンのための作品、といって過言ではないのであります。
これを「くっだらなーい」とか「ばっかばかしいー」とか「マンネリぢゃん」とか。
そんなことを云ってはいけません。

ジョンおじさんは、そう。ある意味、神なのです。

彼が、ここが「火星だ!」というのなら。いくらただの砂漠にみえようが、ゴーグルのみであちこちうろちょろしてようが、信者はただ「そうなんだ!」と澄んだまなざしでしずかに納得するのみなのです。
そして、その画面全体から熱くほとばしる、彼の真骨頂ともいうべきしびれるほどのチープ感。
限りなくくり返されるシュールな莫迦莫迦しさ。(でも主人公はあくまでもクール)
すべてが気持ちいいくらいお約束で、ゆるぎないポリシーがちゃんとあって、これぞB級ムービー!という神髄を誰になんと云われようがいかんなく発揮しまくり、また力ずくで認めさせてしまうとゆうところが、ジョンおじさんのすごいところ。
まさに「出る杭は打たれるが、出すぎた杭は打たれない」わけで。

物語に登場する謎の生命体は、実態を持たず常にひとのからだに憑依していてその肉体が滅びると抜けだしてまたつぎの肉体に移動してゆく、、、とゆうあの『悪魔を憐れむ歌』の悪魔のような存在。
でもあんなに根性わるくないので、乗りうつられるとそうとハッキリ分かるのである意味とっても良心的。
そして取り憑かれるとものすごいメイクのヘビメタ風ゾンビになってみんなでライブ会場みたいに息をあわせてノリノリになっちゃうところがグー。

主演は『スピーシーズ』でうつくしいエイリアン役を演じていたナターシャ・ヘンストリッジ。
神秘的な瞳とアクションがめちゃかっこいいのだ。
『ジャッキー・ブラウン』のパム・グリアもダイナマイトな魅力ですてき。
あっという間に首をちょん切られてちょぴり気の毒だったけど…。
映画の重要なファクターである音楽も(おじさんは作曲もされるらしい。天才だわ)ヘヴィで繊細なギターテクと畳みかけるようなメタルサウンドでクオリティ高し。
ラストシーンはとうぜん前向きな終わりかたで、ニマっとしたあと元気が出る感じ。この辺もいい。

で、今回とくに気に入ったシーンはですねぇ、、、
ある科学者が脱出のために乗っていたおもちゃみたいな気球が落っこちるところ。
こ~んなハードなSFに(しかも科学者が)、こ~んなチャチな気球はないやろ!というところもカーペンター監督だからこそ許されるのですね。さすが巨匠。

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Posted by K@zumi

シン・シティ

シン・シティ [Blu-ray]
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ギャガ (2015-12-23)
売り上げランキング: 27,082

アメコミ界の鬼才、フランク・ミラーとロバート・ロドリゲス監督が手掛けたバイオレンスアクション。3人の男たちが繰り広げる復讐劇を独特の映像美で描く。ブルース・ウィリス、クライヴ・オーウェン、イライジャ・ウッドら豪華キャストが共演。


フランク・ミラー原作のコミックを今どきのデジタルテクノロジーを駆使して、雰囲気をそこなうことなく忠実に映像化した作品なのだそうです。
原作は読んでいないのだけれど、そのあり得ないくらいの映像をみるかぎりきっとそうなんだろうなあ、あのタランティーノ監督が興奮するくらいだもの。と思う。人間の考えだす技術ってかぎりなくすごい。

"罪の街" シン・シティで繰りひろげられる無頼漢たちのバイオレンスな生き様をハードボイルドに。ぴりっとシニカルに。ときにナンセンスに描ききった力作。
過激な暴力シーンやまんがチックな殺戮シーンがどっさりあるにもかかわらず映画からあたえられる印象は、なぜか甘くしっとりとノスタルジック。
そして根底に流れるのは、韓流ドラマも舌を巻くほどのぴゅあで切ない「純愛」
真実の愛のためなりふりかまわず突き進み、ありとあらゆる苦難をしりぞけ、闘うことでしかみずからの正義をつらぬけない三人の男たちのつらく哀しい物語。

全体に疾走感あふれるモノクロームのスタイリッシュな映像なのですが、ポイントポイントで印象的な色彩(ドレスの深紅とか)がすっとさされていて、それがものすごおおく非現実的な世界と芝居じみた大げさな演出とあいまってとても洗練された、ファンタスティックな効果をかもし出してるように思いました。
特殊メイクもすばらしく、そこに俳優さんたちが見事に生命をふきこんでいてそれぞれのキャラクターがもう素顔では考えられないくらい(?)ビシッと決まりまくっているのだ。

特に印象ぶかかったのが、ミッキー・ローク。
ボクサーというよりレスラーといった強靱な肉体と誰もがおそれる醜悪なマスク。
ゴジラなみの破壊力と、そのずうたいからは想像もつかないくらいの俊敏さと、するどいナイフのような冷徹さと、でも浪花節的純情一直線なところがきゅ~ん。
心に咲いたたった一輪の花のためにここまでするか!?っていう究極のロマンを圧倒的なアクションと俺様流道義でもってカンペキに自己完結してくださいました。

そして、おぞましいサイコキラー(セリフなし!)を演じた、イライジャ・ウッド。
いっけんおやおやという感じのキャスティングにも思えるんだけど。でも、おさない顔立ちと愛くるしい瞳で、まるで邪気のない天使のような清らかな風貌と身の毛もよだつような禍々しくて猟奇的な一面というのは案外するっとリンクしてしまうわけで。

他にも書きかけたらキリがないくらい、魅力的ですてきな役者さんぞろい。
ほんとうに贅沢なキャスティングでとおおおってもクールで刺激的な作品でありました。

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Posted by K@zumi

奇談

奇談 [DVD]
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NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン (2014-06-25)
売り上げランキング: 76,429

1972年、民俗学を専攻している大学院生の里美は、幼い頃東北の親戚に預けられたとき、一緒に遊んでいた少年と共に神隠しに遭い、その記憶がなかった。失われた記憶を求めて、彼女はかつて隠れキリシタンの里でもあった村へ赴き、そこで異端の考古学者・稗田礼二郎と出会う…。
諸星大二郎の傑作コミック『生命の木』を原作に、『ワイルドフラワーズ』の小松隆志監督が執念の映画化。


そうそうたるメンツの方々がこぞって絶賛される諸星大二郎先生の『奇談』
これはぜひ原作本をヤフオクで落とさなければっ!とゆう決意もあらたに。

諸星ワールドのはなつ異様でパラレルな世界観を、できるかぎり忠実に、ていねいに映像化されているように思いました。
制作関係者たちの、この作品に対するたしかな「愛」を感じたのでした。
それだけ人々のこころにふかく感銘をあたえた傑作、とゆうことなのでしょうね。
白木みのるさんの「いんふぇるの~」はトラウマになりそうです。

いわゆるひとつの「聖書異伝ミステリ」というやつなのでしょうが、また、このあたりの知識にくわしいひとのウンチク話をじっくりとききながら、ひと晩中飲み明かしてみたい!(飲めないけど…)とゆう気持ちにもなりました。

ところで、柳ユーレイさんなのですが。相変わらずひょうひょうとした味のあるユルい演技でして、あの菅野美穂ちゃんといい、ジャパニーズホラーには今や欠かせない存在っぽいですね。 グーですた。

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Posted by K@zumi

レイクサイドマーダーケース

レイクサイド マーダーケース [DVD]
ポニーキャニオン (2005-07-29)
売り上げランキング: 85,058

子供の中学受験のための勉強合宿で、湖畔の別荘に集まった家族3組と家庭教師。ところがそこで殺人事件が起こる。殺されたのは若い女性。彼女は参加した家族3組のうちの一組、並木家の父親の愛人だった。そして「私が殺したの」と妻の美菜子は告白するが…。 東野圭吾原作のミステリー小説を、『ローレライ』の役所広司や薬師丸ひろ子らを迎えて映画化。


家族とはなにか。親になるということはどういうことなのか。そして守るべきものとは。
さまざまな問いかけにたいして登場人物はそれぞれに結論をだしていきます。

たしかに彼らのとった行動は頭ではちゃんと理解できるし、彼らの言葉のすべてが圧倒的なリアリティをもって響いてはくるのだけれど。でも自分のなかでどうにもシンクロしない。というか、すとんと落ちるものがない。 たぶんそれはわたしに気が狂うほどに追いつめられた経験がないからなのか。

そして皮肉なことに、この事件を通してこれまで心の通い合わなかった主人公夫婦のあいだにやさしい光が射したかのようなせつない蜃気楼がふっと浮かんだようにみえます。
みせかけの、すぐに消えてしまいそうなかすかで弱いひかり。

けれどそこに爽快感はない。鬱々とした鈍色の雲が、やっぱり厚くたちこめるだけ。
吹雪の山荘に閉じこめられ、童謡にみたてられて殺害されてしまうお話や、また、ある静かな湖畔でくりひろげられたおそるべき殺人鬼のお話のように荒唐無稽なエンタテイメントとして割り切って楽しむこともできない。
ひたすら心のなかのやわらかい部分にがりがりと尖った爪をたてつづけられ、良心というよく分からないものをぐるぐる探しつづけて闇のなかをさまよう心地。

でもこんな風に、居心地の悪~い後味でもって濡れたシャツが肌にはりついてくるみたいないやな感じを与えることによってこの作品をつくったひとたちの目的のひとつは達したのではないのかしら。
とも思うわけで。
この救いようもなく哀れな物語に、いたたまれなくやるせない想いがのこり、またそう感じるひとがおそらく少なくないだろうと想像されることが、この物語のいちばん救われるところなのかなあ、といった気もするのでした。

役者さんはどなたもすばらしく、特に柄本明さんの相変わらずの怪物的な演技や役所広司さんの心にするっと忍びこんでくるような自然な表現力ももちろんだけど、豊川悦司さんのきちんとつくりこまれた精密なからくり人形のような奇妙でいて、ふわりとチャーミングな存在感は日本映画界の財産のようにも。

あと、ちょっとネタバレになっちゃうんだけれども。
あの犯罪は、たしかに彼(彼ら?)のしわざだったのでしょうか。
だとすれば不可解な現象が、、、横切る影とか。消えたタバコの吸い殻とか。
あれってなに??誰かおしえて!

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Posted by K@zumi