K's Diary

時はわたしに めまいだけを残していく

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屋上ミサイル

屋上ミサイル (このミス大賞受賞作)
山下 貴光
宝島社
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美術の課題のため、屋上にのぼった高校2年生のアカネ。そこで不良の嘉人や言葉を封印した淳之介、自殺願望をもつ啓太と知り合う。屋上への愛情が共通しているということから、4人は“屋上部”を結成することになり…。
『このミステリーがすごい!』大賞2009年第7回大賞受賞作。


読み出すともう一気でした。
『このミス』大賞の選考委員会で意見がまっぷたつに割れたとゆう曰く付きですが、展開がスピーディーで、ミステリありサスペンスあり友情ありちこっと恋愛ありの、キラめく青春ごった煮ぐつぐつ状態なところがとっても楽しかったですよ。

まったくばらばらのピースが最後にはちゃんとひとつに収まるところとか、テンポ良く心地よい会話と生意気でかっこいい青春まっさかりの少年少女たちとか、途中から登場する(愛すべきかどうかちょっと迷うけど)風変わりな殺し屋とか。おいおい。これは伊坂ワールドかい?と錯覚しちゃうほど。

ご都合主義と云われてしまえばそれまでだけど、キライじゃないです。この手のお話。
とんでもなバーチャルと生ぬるいリアルがぎりぎりの感じでするりと溶け合っていてとにかく痛快で甘酸っぱくて少し痛くて、若い感性にあふれたエンターテイメント。
じゃっかん脱力しつつも、熱くて頼もしいロックンロールな青春小説でありました。

不連続の世界

不連続の世界
不連続の世界
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幻冬舎 (2013-12-06)
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音楽ディレクター塚崎多聞のフランス人の妻ジャンヌが突然里帰りし、そのまま音信不通になって、そろそろ1年になろうとしていた。多聞はジャンヌの実家を訪ねたが…。「夜明けのガスパール」ほか中編5編を収録。詩情と旅情あふれる、恩田陸版「怖い話」。


怪談話や都市伝説がこわいのは、話がちゃんと閉じきってないからなんですよねえ。
だいたいは「らしいよー」とか「なんだって」みたいなカタチで終わってる。
そして濡れたシャツのようにいつまでも背中に気持ち悪さがぺったりとはりつく。
聞いた者はただ心に恐怖の種だけをポツリと植えつけられて、すくすく育ててゆくのはその人自身。
そうやって悪夢はある日とつぜん思ってもいないところで優美な花をぱかっと咲かせる。
だから怪談話はこわい。時限爆弾なんだもの。

『不連続の世界』読みおわりました。
恩田ワールド独特の、この、ゆらゆらとした不安定感。背筋がすっと冷たくなる感覚。甘い郷愁。
『月の裏側』に登場していた多聞くんが主人公の短編集なのですが。案の定どのお話もとても奇妙でちくっとリリカルで、またどことなく乾いたロードムービー的な雰囲気もしずかで懐かしい感じ。
そうそう、あの「楠巴」女史も参戦してましたよ。
いったいどんな風に人間関係つながってるのか?、それ考えるのもなかなか楽しいかもです。

手塚治虫先生はご自分のキャラクターをまるで俳優さんのようにいろんな作品にさまざまな役柄で使っておられましたが、最近の作家さんもそれに近い感じで、いろんなキャラが思ってもいないところでするっとリンクしてくる。ていうのが流行みたいです。
穿った見方をすればこれも売らせる戦略のひとつなのかもしれないけど、でも読者としてはニヤリって感じでついうれしくなっちゃうのはたしかですねー。

つか、もう、めちゃくちゃ鳥取砂丘にいってみたくなりましたよ!

みんなの秘密

みんなの秘密 (講談社文庫)
林 真理子
講談社
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普通の人などひとりもいない……。人間の秘め事を描く連作小説。
男と女、心理と生理のなまめかしい絡み合い。何かを隠して生きている妻、夫、娘、愛人たち、人間の密やかな喜びと切なさを描く連作小説集。第32回吉川英治文学賞受賞作


エ、エロい。でもおもしろい。
人間の、それも特に女性のダークな部分を描かせたらこの人はぴかいちやなあ。と再認識。

この物語はいくつかの短編でできあがってるんだけど、作品ごとに登場人物がどんどんバトンを渡すかのようにスイッチしていって、それぞれが抱え持つ甘くて残酷な秘密があぶり出されていく。
といった構成になってます。いやいや、いったい何人の心の裏側を垣間見るのことになるのか。
これがホラー並におそろしいのな。

自分の垂れ流した汚物を目の前に見せつけられて「これ、おまえのだろ?」と無言で問い詰められるような居心地の悪さがあって、人ってなんて不条理で残酷な生き物なのかしら。と寒気がするくらい。がんがん引き込まれちゃう。恐いんだけど。

林真理子って作家さんは、読むたびにほんとうにすごい人だと痛いくらい思う。

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