首無の如き祟るもの

首無の如き祟るもの (ミステリー・リーグ)
三津田 信三
原書房
売り上げランキング: 417,387

一族の安寧を祈る祭りの最中に双子の妹が首のない死体となって発見される。それが連鎖するかのように連続首無し殺人事件となって、山間の村を恐怖に陥れた。
茫然自失の驚愕トリック!シリーズ最高峰!


『厭魅…』のときもそうだったんだけど、物語の中盤あたりまでは事件らしい事件は特に起こらなくてそれ以降は怒濤の殺人劇。 とにかく死ぬわ、死ぬわ、なんでこういきなり?とゆうくらい。
そしてラストはお約束のめくるめくミスディレクション。
今回もそうでした。しかもかなーりややこしい。つか迷映画『名探偵登場』のラストみたい。
「びっくりする」とゆうよりは「あきれる」といったほうがいいのかしら。いい意味で。
よー考えるわ、そんなこと。て感じ。まさに。

すこしネタばらししちゃうと、やっぱり叙述トリックとゆうことになるんでしょうけれど。
ただですね。これがものすごく捻曲ってる感じなのですね。そしてすばらしく巧妙。
こんな感じのトリックはおそらく初めて読んだだろう気がします。

ジャパネスクホラーのフィルターをしっぽりかけられて、そっちの雰囲気に惑わされていると(とゆうのも果たして本格ミステリでオチるのか、怪奇小説でシメるのかはっきりしないんだもの)もうすべてが謎らしくなってきてこのお話の決着がどうつくのか、ほんとうに混乱してしまうのですね。
でも伏線はバッチリと(ある意味、これでもかと思うほど堂堂と)あるから指摘されれば、「そうなんだよ。うう。ちくしょう」とくやしさいっぱいなのです。 いかにちゃんと読んでないか思い知らされる。みたいな?

おそらく何重にもだましまくってくださるんだろうなあ。とゆう可憐な想いはまさしく成就されたわけです。
おもしろかったですよー。この方、ほんとうにあらゆる意味でミスリードがうまい。

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Posted by K@zumi

食堂かたつむり

食堂かたつむり (ポプラ文庫)
小川 糸
ポプラ社
売り上げランキング: 33,272

おいしくて、いとおしい。
同棲していた恋人にすべてを持ち去られ、恋と同時にあまりに多くのものを失った衝撃から、倫子はさらに声をも失う。山あいのふるさとに戻った倫子は、小さな食堂を始める。それは、一日一組のお客様だけをもてなす、決まったメニューのない食堂だった。


初期の頃のよしもとばななさんの作品にとてもよく似ています。つか、そっくりです。
生と死のはざまにあるしんと蒼い乾いたような空気も、カラリとよく晴れた空のような淋しさも。
初めて『キッチン』を読んだときの、あのなんとも云えない平和で穏やかな哀しみが、またよみがえってきたような気がしました。

手ひどい失恋のため声を失ってしまった主人公の、挫折と再生のものがたり。
瑞々しい文章と丁寧でおいしそうなお料理の描写と生きとし生けるものへの静かな尊敬にあふれた、焼きたてのパンのような始まりの香りのする小説です。

自然の息吹や食べ物によって人々が癒されてゆくとゆうお話は、べたなんだけどいちばん心の襞にしみやすいですね。
とても「食堂」なんてレベルで済まされるようなごはんじゃないくらいの懲りに懲りまくった食材の数々。
香菜里屋のマスターも顔負けのすてきなレシピ。そして小技のきいたスタイリングなど、いま流行りの"おうちカフェ"ぽい雰囲気が若い女子たちのハートを甘くくすぐるんだと思います。

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Posted by K@zumi