11月に読んだ本のまとめ

11月の読書メーター
読んだ本の数:12
読んだページ数:3514
ナイス数:1004

左近の桜 (角川文庫)左近の桜 (角川文庫)感想
『百鬼夜行抄』に『エマニエル夫人』を投入して桜葉でゆるっとコーティングした感じ。耽美で夢幻的。しっとりと艶っぽくて、官能風なんだけどサラサラ読める。淑やかで風情があって言葉のひとつひとつが無駄のない美しさで、その独特の世界観が心地よい。青年と少年とのあわいに漂う、まさに匂い立つような危うさが人ならぬものを呼び寄せるのだろうか。しかし桜蔵くんも受難続きやね。あれじゃ身がもたんやろに。身内すら妖みたいなもんやし。柾さんの入れるココアの描写がすばらしくて、わたしもご相伴にあずかりたい!と本気で思ってしまった。
読了日:11月30日 著者:長野 まゆみ

ドS刑事 風が吹けば桶屋が儲かる殺人事件ドS刑事 風が吹けば桶屋が儲かる殺人事件感想
悪意の連鎖。惨劇への死のバトン。息のあるうちに燃やされるとかかなり嗜虐的な展開ながら、軽快な語り口とガンガン突っ走るスピード感で、あれよあれよという間に気づけば怒涛の一気読み。おもしろかったー。装丁から軽めのユーモアミステリだろうと思っていたら、まんまとしてやられた感があり大変満足です。ヒロインのマヤはアルジェントファン=猟奇趣味というのは判るんだけど、“ドS”というのとはちょっとちゃう気がするかな?一冊の文庫本から推理が芋ずる式に繋がっていくくだりは代官様と同じようにこちらもドーパミンでまくりでした。
読了日:11月27日 著者:七尾 与史

跫音(あしおと) (角川ホラー文庫―自選恐怖小説集)跫音(あしおと) (角川ホラー文庫―自選恐怖小説集)感想
初・山田作品。やー。重たかったす。一話読むごとにずしんと心に負荷がかかって、なかなか読み進められずにいました。エロティックでグロテスクで幻想的で奇ッ怪な、愛と憎悪と恐怖の物語。このねちゃねちゃとする気持ち悪さは丸尾末広さんの作品を読んだ時とちょっとリンクする感じかも。個人的に圧巻だったのは『女死刑囚』。この無惨で吐き気がするほどの救いのなさはちょっとトラウマになりそう。『最後の晩餐』も印象深い。結末は読めるけれど、濃厚で甘美であくまでも悪趣味な狂気の世界は風刺や皮肉もたっぷりつまってブラックな仕上がり。
読了日:11月26日 著者:山田 風太郎

薔薇十字叢書 天邪鬼の輩 (富士見L文庫)薔薇十字叢書 天邪鬼の輩 (富士見L文庫)感想
からくり自体は本家に敵わないとしても、二次創作の醍醐味でもある“妄想を共有する”という点では楽しんで読めました。わりに健全なセキくんも意外に良く笑う京極堂もやけに優しい榎さんも、(たとえそれが青春の日であったとしても)まあ本家ではまず読めませんものねー。京極堂と榎さんとのテンポのいい会話も楽しかったし、まさかの「藤牧」登場にも思わずニヤリ。もっともあんなに闇のないセキくんだとその後の展開がちょっと想像しづらいけれど(ω)全体的に明るく気恥ずかしく甘酸っぱい。まさに妄想のなせる業やね。おもしろかったわん☆
読了日:11月24日 著者:愁堂 れな

改造版 少年アリス改造版 少年アリス感想
ふわふわと綿菓子のように甘ったるくて、透きとおった蒼い月の光のように静謐なメルヘン。忘れ物の鳥の本を取りに行くために、夜の学校へこっそり忍び込んだアリスと蜜蜂のひとときの冒険。なめらかで美しい叙情的な文章と、胸をきゅうと切なくさせるようなノスタルジックでかわいい物語。あちらこちらに登場する季節感あふれるさまざまな植物の名前もたのしくて、夢のような情景に豊かな彩りを添える。遠い記憶。出会いと別れ。夏から秋へ季節は巡る。繊細なたまごはするりと手からこぼれ落ち、そして彼らはいつしか少年の日に終わりを告げる。
読了日:11月23日 著者:長野 まゆみ

東京結合人間東京結合人間感想
はじめて会田さんの『切腹女子高生』を見たときの悪魔的で得体の知れなさが甦る。相変わらずみんなとてつもなく狂っていて底抜けにグロい。人間の尊厳もくそもあったもんじゃない。けれど読んでくうちに段々とこの不条理な世界観に違和感を覚えなくなり、イカれていながらもちゃんと筋が通るという、気持ちいいだか悪いんだかよくわかんない読了感。血と汚物にまみれたハイパーなバイオレンスと、ロジカルな本格推理小説との禍々しい結合。確実に読む人は選ぶでしょうが、わたしは面白かったと思う。作者が渾身で放つ無敵のパワーに圧倒された。
読了日:11月21日 著者:白井 智之

こんにちは刑事ちゃん (中公文庫)こんにちは刑事ちゃん (中公文庫)感想
「見た目は子供、頭脳は大人」はコナンくんですが、彼の場合は同一人物。こちらは赤ちゃんの身体に、敏腕おっちゃん刑事の魂が入り込んだというリーインカーネーションもの。ただし期間限定。それにしても羽田さんのトリビア感がすごい。なんでそんなことまで知ってるわけ?笑って唸って泣かされて、罪を憎んで人を憎まずの『はぐれ刑事純情派』安っさん顔負けの人情喜劇。それぞれの立場が入れ替わることによって気付かされる、暖かく真摯なまなざしにも好感度大。そしてラスト。うーん、羽田さんの苦労はまだまだ続きますね。そちらも楽しみ♪
読了日:11月16日 著者:藤崎 翔

探偵少女アリサの事件簿 溝ノ口より愛をこめて (幻冬舎文庫)探偵少女アリサの事件簿 溝ノ口より愛をこめて (幻冬舎文庫)感想
あーもー東川さんだなあ。といった感じの軽快なユーモアミステリ。ワールドワイドに活躍する名探偵のママと、日本一の名探偵のパパ(の割に知名度はイマイチ)を両親にもつ、お子さま探偵の「アリサ」。そして、オイルサーディンの発注ミスでスーパーをクビになり、その後しがない便利屋を営む30男の「橘良太」。この凸凹な二人が溝ノ口界隈で巻き起こるキテレツな事件を、オフビートな笑いを交えながらドタバタと解決していく。トリック自体はほとんどなぞなぞに近いものがある?かもだけど、ちゃっかりしてるアリサがかわいくて楽しく読了です。
読了日:11月14日 著者:東川 篤哉

臨床犯罪学者・火村英生のフィールドノート 朱色の研究II【新装版】 (あすかコミックスDX)臨床犯罪学者・火村英生のフィールドノート 朱色の研究II【新装版】 (あすかコミックスDX)感想
たしかにアクロバティックな推理を披露し、混乱に秩序をもたらすのは偏屈学者の火村准教授なのだが、この悲しい物語での核となる繊細で残酷な動機解明の部分において大切な役割を担っているのは紛れもなく「アリス」だ。また彼ですら憚れて聞きそびれている火村英生の悪夢の内容が、永久凍土のように心の奥に封印している朱美の苦悩を溶かすために、初めて彼の口から語られるというとても貴重な回でもある。『朱色の研究』は初読ではその世界観に染まりきれなくて、読み返すごとに色合いを増し濃く深めていく稀有な本格ミステリかもしれない。
読了日:11月08日 著者:麻々原 絵里依

臨床犯罪学者・火村英生のフィールドノート 朱色の研究I【新装版】 (あすかコミックスDX)臨床犯罪学者・火村英生のフィールドノート 朱色の研究I【新装版】 (あすかコミックスDX)感想
火村氏はともかく、ほんまにここのアリスはやけに可愛くてかっこ良くて、わたし的にはズッコケる(え゛っ?)。物書きよかモデルでじゅうぶん食ってけるんじゃね?ってくらい。そもそもわたしの愛するアリスはなんちゅうかそのもうちょっとイケてないというかおっさんぽいというか…(まあそれはいい)。夕陽丘でのエレベータートリックは、友人たちとノリノリで検証してみたい衝動にカラレル。楽しそう。わたしは森下くんがわりとお気に入りなので活躍してくれるとうれしい。いかにも推理物らしく文字が多めで、ひじょうに読み応えのあるコミック。
読了日:11月07日 著者:麻々原 絵里依

ミステリー・アリーナ (ミステリー・リーグ)ミステリー・アリーナ (ミステリー・リーグ)感想
“全編伏線”のうたい文句に偽りなし。めっさ楽しかった!もうホントに呆れるくらいの多重解決のオンパレードで、もちろんそれもスゴいんだけど、とにもかくにもミステリヲタならではのあるあるネタと芸人並みに絶妙なツッコミがたまらなく可笑しい。「たま」の真相の場面なんてあまりに笑いすぎて家族から怪訝な目で見られてしまったわよ?それにしてもミステリ作家って大変なんだなあ。と、しみじみもしてしまう。これを読んでニール・サイモンの『名探偵登場』が久しぶりに観たくなったし、『毒入りチョコレート事件』も読んでみたくなった。
読了日:11月05日 著者:深水 黎一郎

ずうのめ人形ずうのめ人形感想
もちろん都市伝説ホラーとしてもぞわぞわなのですが、どちらかといえば今回はミステリ色が強め。次々と紐解かれる謎。さり気ない叙述も登場。そして最後の最後になんとあの人とあの人が繋がっていたとはっ!!はー。やられました。この打ちのめされ感が大きければ大きいほどミステリファンは萌えるのよね。ホントみんな軽くM。巻末の<参考・引用文献>にも思わずニヤリ。小説のそこかしこに歴代の名作ホラー映画や傑作ミステリへのリスペクトが練り込まれていて、そういう意味でもファンを大いに楽しませてくれるサービス精神に満ちあふれた作品。
読了日:11月03日 著者:澤村伊智

読書メーター


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初読みの作家さんが何人かいらっしゃいました。
なかでも「長野まゆみ」さん!イイですねえ、この澄んだ感性。
文章を染めあげるたおやかな日本語と風流な情緒とビードロ細工のような透明感が病み付きになりそう~
じわじわ追いかけてみたくなりました。

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Posted by K@zumi

Happy Wedding

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17日に娘がグアムで挙式をあげました(^∇^)

すっきり晴天とはいかなかったのですが、まずまずの天候で良かったです。

身内のみのささやかな式でしたが

きれいな花嫁姿を見られて、母は感無量だったよ。


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Posted by K@zumi