ON 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子


奇妙で凄惨な自死事件が続いた。被害者たちは、かつて自分が行った殺人と同じ手口で命を絶っていく。誰かが彼らを遠隔操作して、自殺に見せかけて殺しているのか?新人刑事の藤堂比奈子らは事件を追うが、捜査の途中でなぜか自死事件の画像がネットに流出してしまう。やがて浮かび上がる未解決の幼女惨殺事件。いったい犯人の目的とは?第21回日本ホラー小説大賞読者賞に輝く新しいタイプのホラーミステリ!


書き始めたらものごっつ長くなってしまったので、特にネタバレはない(と思う)けれどダラダラとじゃまなので畳みますね。


日本版『Xファイル』って感じだろうか。ホラーというよりは、超常現象に近いんじゃないかな。
人為的にエイリアンハンド症候群チックなものを起こしてしまうというお話。

子どものころに読んだホラー漫画に、ある人物の手や足を移植された者たちが、その移植された手が自分の首を絞めたり足が勝手に走って池に飛び込んだりして自殺するっていうトンデモな物語があった。
自分の手や足が自分の意志とはまったく無関係に動きだしたら、しかもそれらが自分に危害を加えだしたりしたら、どんなに怖ろしいだろうという印象が今も強く残っている。
あと、これは良く覚えている。角膜移植をした女子高生の目にその角膜を提供してくれた少女(実は殺害されていた)の眸に焼き付いていた犯人の姿(が、ヒロインはそうとは知らず)が見えて、その彼(殺人鬼)に恋をしてしまうというお話。こちらは切なさマックスの展開だが、本来見えるハズのないものが突然見えだすというのも自分が狂人になったようでなかなかの恐怖体験だ。

それにしても本書は序盤からかなり「あいたたたたた」な展開。
ゆるやかなスキップからではなくクラウチングからのロケットスタートだ。

被害者はたしかにゲス野郎ではあるけれど、宮原の殺され方はなんつーかそのかなり イヤ だ。
てか、コレって特に男性の方には身震いするくらいオソロシイ所業なんじゃないのかな。想像だけど。
しかも「静かに、むしろ冷静に、何回も出し入れしながら切っている」ってところがひたすらムゴイ。
女の子のほうはまあアレだ。気の毒ではあるんだけどイチオウは死後ということもあってすこしは安心するんだけど、でもものすごおおく痛い話をしてしまうが女性って出産するときは大低の人が切開するからね。
たしかわたしのときも三か所くらい切ったかなあ、ハサミで。ぱちんぱちんと。音だって聞こえたもんな。
おまけに(陣痛促進剤を使用した急激なお産だったため)産道がえらくズタズタに裂けた状態だったらしいので、出産自体よりもむしろその後の縫合のほうが痛かったかなあ。時間もかかったし。あー、もちろん麻酔なんてなしで、、、ってこの話はもうエエか。

たしかにグロさハンパない描写はあるもののとても読みやすくびっくりするくらいすらすらいける。
登場人物も特段ひねくれた設定などではなくてとても感情移入しやすくむしろほのぼのとさえするほど。
なにせヒロインが親しみやすく健気で嫌味がなくとってもイイ子ちゃんで女優さんでいうと貫地谷しほりさんみたいな感じ?(あくまでもロキソンのCMからのイメージ)
善光寺七味の缶をお守り代わりにしているところもユニーク。それに負けないくらい彼女のお母さんもこれまたユニーク。
こんなステキな母親から育てられたから比奈ちゃんもこんなにイイ子なのかな、と思うくらい。

ただ、すこし勘違い的なことを云ってしまうと、わたしはこれをミステリとしても読んでいたので、展開がスピーディーで余計なエピソードもほとんどなく(ミスリードさせるそぶりもなし)畳み掛けるように物語が進んでいくのもたしかに興奮するし、実際のめり込んでしまったのだけれど、一方であまりにもスムーズにことが運びすぎて「伏線みえみえやろ」とか「手がかり残し過ぎやろ」とかって思ってしまうのだ。
これはホラー小説で別に本格ミステリなわけやないんやからそんなんどーでもええやん、ってところなのだろうしそれは重々承知のうえであえて欲を云わせていただくと

『 もうちょっと焦らしてほしかった! 』

というのがいち読者の率直な感想です。
だってめっちゃおもしろかったんだもん!
クライマックスまでがあっという間すぎて物足りない!もうすこしじっくりと読みたかった!

いやはや、題名に掲げられている“ON”とはそーゆー意味だったのか。
そうそう死神女史との異名をとる司法解剖のプロ(『秘密』の雪子さんに負けず劣らず。変態解剖医里村ちゃんとも気が合いそう)、イナセでクールな石上妙子博士はわたしのダイスキな小林聡美さんで脳内キャスティングしたいものだ。かっこええ。
でもって鑑識係の三木捜査官の描写、アレ「米沢さん」やろ?間違いない(≧∇≦)

電子書籍のみのサーピスかもしれんけど、次作『CUT』のプロローグ部分のあざといおまけつき。
もー。次も読んでまうやろっ?(チャンカワイっぽく)



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Posted by K@zumi

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