緋色の囁き

緋色の囁き (講談社文庫)
綾辻 行人
講談社
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「私は魔女なの」謎の言葉を残したまま一人の女生徒が寮の「開かずの間」で焼死した。その夜から次々と起こる級友たちの惨殺事件に名門女学園は恐怖と狂乱に包まれる。創立者の血をひく転校生冴子は心の奥底から湧き起こってくる“囁き”に自分が殺人鬼ではないかと恐怖におののく。


おそらく20年ぶりの再読。
指にすべるページがイイ感じの飴色に染まっていてじんわりとした懐かしさに拍車をかける。

イタリアに生まれ落ちた鬼才、ホラー映画監督ダリオ・アルジェントが世に送った『サスペリア』
スタイリッシュなポスターデザイン、狂気じみた色彩、「決して、ひとりでは見ないでください」という印象的なキャッチコピー。まだうら若きティーンエイジャーは、麻疹のごとく見事に感染させられた。
とは云うものの、場面場面をダイジェスト的に覚えてはいるもののストーリーとしてはもうかなりおぼろげな感じだ。(つか、そもそもストーリーなんてあったんだっけか?)
それでも瀟洒なバレエ学校の造形や、どしゃ降りの豪雨や、複雑に絡み合う生き物のような針金の海や、色とりどりのステンドグラスが砕け散るさまや、鮮血に彩られた美少女たちや、そしてあの3本のアイリス、「青いのを回すのよ」。今もフラッシュバックのように鮮やかに蘇る。
そのときに感じたキョーレツな悪夢はこれからもわたしをとらえて離さないだろう。

また余談になるが『サスペリア』はダンゼン『サスペリア2』のほうがおもしろい!(ゴシック強調)
あれは紛れもなくサスペンスホラーの傑作だ。同時にミステリとしても秀逸。ため息しかない。
フツウは『2』のほうが色あせて映るものなのに、この『サスペリア』に関してはそんななかで稀有な存在だとずうっと思っていたら、実は日本で公開されたのが美少女ホラーの『サスペリア』のほうが先だっただけで、実際は『2』のほうが最初に制作されたものだったということを知って、ああやっぱりなあ、とそこで至極納得したものだ。

さてさて、そんな『サスペリア』に触発されたというユキト・アヤツジの『緋色の囁き』
女の子のなかにひそむぞくりと痺れてとろりと甘い禁断の果実や緋色に象徴されたあらゆるタブーにまっこうから切り込んで、そのあまりに背徳的な香りにくらくらする。もー。男の子がこんなの書いたらダメでしょ!(これを執筆してたとき彼は今のわたしより年下だったもの)

重厚なゴシック・ホラー。一級のサスペンス。さすがミステリの旗手だけにミスリードも抜かりなく。
映像化したらさぞやおいしそうだとは思うけれど、いつぞやの『霧越邸』の悲劇(ずうっとまえに火曜サスペンスであれだけトリックも設定もオソロシイほどに原型をとどめていない『湖畔の館殺人事件』の原作に(いっそのこと“原作”じゃなくて、“参考文献”とかでよくね?)「綾辻行人『霧越邸殺人事件』」となっていたことに、ふつふつとした静かな怒りがこみ上げたものだ。まあ『月蝕の館殺人事件』(原作は『鳴風荘事件』)もひどかったけど…しかしこれも佐野さんのせいではナイ)をくり返えされてはたまらないとも思う。このへん、ファンとしてはなかなかフクザツだ。

 全寮制の名門女子高、古びた赤煉瓦の洋館、現実離れして「お嬢様」を演じる生徒たち、「魔女」という謎の言葉、血の色に染まった悪夢に悩む主人公(もちろん美少女)、闇を徘徊する正体不明の殺人鬼、そして意外な結末……。うーむ、なんて僕好みの話なんだろう、とついほくそ笑んでしまうわけですね、臆面もなく。

(文庫版あとがきより)


いーーーーんですッ!!(楽天カードマン風に) アナタハ ソレデ

ああ、『サスペリア』がもう一度みたい、、、

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Posted by K@zumi

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