『臨床犯罪学者 火村英生の推理』第9話

このところほぼ毎週と帰省している長女から夕飯のときに「そろそろ(火村さんも)佳境に入ってきた?」とのさり気ないジャブに「そやね。今晩はアリスが拉致されるねん」とこちらもさり気なく返すと「えー!うっそぉー!どっからそんな話になったん??」とごはんを吹くような勢いで大ウケ。
彼女は原作ののほほんとしたユルいミステリしか知らないのだ。(ドラマは未見。興味ないらしい)
なのでまさかそんな緊迫したシーン(しかもあのアリスが拉致やで?)が用意されているとはつゆほども思っていなかったらしく、この展開にはもはや失笑をかくせないようす。

「でさ、アレやったん?あの紅茶のやつ?(興味津々)」
「いや、アレはこの度はなかった(ことさら平静さを装う)」
「もー!ウチ、あのトリック、ほんまトラウマやわ!!」とまたしても失笑。とことん失礼なヤツ。
そばで聞いていた次女も「なになに」と聞いて来るので例の「ロシア紅茶の悲しくも美しい事件」を話して聞かせてやると、、、(以下同文)


さて、いよいよ物語も大詰めを向かえ火アリファンには話題に事欠かない第9話と相なりました。
とにかく冒頭から走りまくる犯罪学者、叫びまくるアリス。そしていろいろ謝ってばかりの火村英生。
で、今さらなんだけど、アリスんちってドラマでは京都にあるのか?しかも京都府警から徒歩圏内なの?
火村センセ、アリスのマンションまで駆けつけるのにどう見ても公共交通機関利用してないみたいな感じだし、、、てかまあそんな細かいことは置いておいて
今回のハイライトはいろいろあれど、まずイチバンはなんといっても

火村氏「アリスッ!……おいっ!!」

アリス「……白馬の騎士の、、、お出ましが、、、遅いで……」

火村氏「……すまん、、、」


悪者によって囚われの身となったアリス姫を火村王子が白馬の騎士よろしく救出に参上する、という、おそらく二次住人の方々がこれまで何千回、いや何万回と夢想しつづけてきたストーリーが、マギーさんの手によって晴れて実現したことになります。萌え死してませんでしょうか?>大丈夫?、みんな?

それにしてもアリスが拉致されたと知った時の火村センセの落ち着きのなさ加減がすごかった。
ガラにもなく焦ってわらわらしたり、壁に頭ドンドンしたりして、原作で火村氏が動揺した姿ってわたしが覚えている限りでは『46番目の密室』でアリスが屋根から落っこちそうになったときか『朱色の研究』ン時の自分の悪夢の内容を語ったときくらいじゃないのかしら。
原作ではアリスが火村氏を心配したり思いやったりする記述はよく出てくる(まあ一人称だし)けれど、同じように火村氏もアリスの事をとても大切に思ってるというのがドラマでは目に見えて(熱すぎるくらい)はっきりと描かれているのが新鮮というか、なんかみょうに気恥ずかしい。どんだけ仲いいのよ。
わたしは原作のふたりの距離感がすごおおおく心地よくてダイスキなので、TVでの彼らの距離はやけに近すぎて、なんかもうほんとテレる。
それと、坂亦少年のほっぺを両手でむぎゅーって、アレもあかん。火村さん、生安に捕まるデ。

あとこんなのもあった

  アリス以外の助手はいらない。


うーん。良いセリフなんだけど、ドラマ版アリスは火村氏の助手として何をやっていたのでしょう。改めて考えてみるとそれらしきお仕事が、、、(親友とか、心の平安を保ってくれるとかそんなんじゃなくて)
また「助手にしてください!」と健気に申し出た朱美ちゃんの頭をやさしくぽんぽんしてあげてるのにもなにげにびっくり。
原作の火村准教授は教壇から去り際にひょいと気前よく片手をあげたりはするくせに、お酒の席ではしな垂れかかって来た女の子の頭を邪険に押し戻したり、不用意に肩に触れてきた女学生の手をぴしゃりと払いのけたりと、なかなかの女嫌い。というよりもスキンシップが苦手なのかな?とても頭なでなでしてあげるような素振りや雰囲気はみじんも持ち合わせていない。
このあたりは『秘密』の薪室長となにげに同じな感じですかねー。
また、クールでかっこいい生き方をしている火村英生って、わたしのなかではあのモグリの天才外科医ブラック・ジャックとちょっとだけダブるんですよね。
孤高の天才。強靭で危うくて皮肉屋。多くを語らない壮絶な過去。ピノコ(アリス)、そして動物・子どもに優しいところとか。

それからあと、そうだな。

アリス「残念やけど、火村はあんたには振り向かへんで」
 (火アリさんたちからは拍手喝采のコメントやな)

火村氏「鼻毛でも出てますか?」
 (コマチさんにはキレイにスルーされてましたが)
 (てか斎藤さん、コレ火村英生的にええの?)


と、前置きが長くなりましたが(えー。これから本題なの??)
この第9話は『白い兎が逃げる』に収録されている短編『地下室の処刑』
原作ではまるでコナンくんのようなシチュエーションでシャングリラ十字軍に拉致られるのが、大阪府警のはりきりボーイ森下くんなのんですが、ドラマでは何をかくそう我らが「アリス」なわけです。
原作の方は森下くんの拉致はついでという位置づけで、メインは嵯峨の処刑(脅かし)
それがドラマでは、アリスの拉致がメインで、嵯峨の処刑がついでといった感じだ。

それにしても火村氏にダメージをあたえるためにアリスを誘拐したのはイイ線いってるかもしんないけど、でも別にアリスを痛めつけるわけでもなし、死の恐怖を与えるわけでもなし(嵯峨の死に立ち会ったのはあくまでも偶然彼のICレコーダーを目撃した安奈ちゃんのお手柄(?)によるもので、当初の計画にはない突発的なものだったはず。だいいち諸星さんも処刑するとかなんとか威勢のいいことは云いつつもアリスに「火村英生に伝えて♪」と思わせぶりに耳打ちするあたり、端から「あんたは殺さへんよ」と宣言しているようなもの)、やったことと云えば火村氏の携帯にアリス緊縛の画像(窪田ファン垂涎もの)を送り付けるとか、また携帯に向かっていきなり「かごめかごめ」を唄いだすという素面ではまず考えられないくらいにこっぱずかしいことをしたくらいなものだろう。
「あのな、ウチらいざとなったらいつでもあんたの大事な人を拉致することくらい簡単なんよ」っていう警告メッセージだとしても、日本を震撼させている過激派軍団としては、生ぬるいといえば生ぬるい。

まあ携帯のGPSで居所が知れるのもだいたい1時間くらいと諸星さんも承知していて、それまでに終わらせるみたいなこと云っていたので、憐れな嵯峨くんのアクシデントがなかったら、もしかしたらアリスは置き土産として足の一本くらいは折られていたのかもしれませんね。
嵯峨くんナイスアシスト!(違ッ)

しかしながら終わってみれば結局は諸星さんの「かまってちゃん」的なちょっとイタい伝言ゲームだったってことか。アリスただのメッセンジャーボーイ?わーん、なんて不憫な子。でもドラマのアリスってとってもメンタルの強い子で目の前で嵯峨くんが毒殺され自らも空砲とはいえ銃口を向けられ引き金を引かれるというソーゼツな体験までしたのにそれが少しもトラウマになんてならずに、あまつさえその晩に時絵さんの作ってくれたお鍋をものすごく楽しそうにはふはふして食べていたから。

あと、城の「だましやがったな」のセリフはやっぱりいらないんじゃないのかな。あの場ではどうにも意味深な発言でひっかかるし、原作通り「畜生」だけのほうが流れ的にもシンプルで良かったような気がします。
〈天使〉は牙を剥いた―― この言葉の不穏な響きが、わたしは個人的にとても気に入ってます。
安楽死の薬の欠点は、真贋を自分では確かめることができないこと。だから死にゆく者を利用した。
あまりにも合理的で、悪魔的に罪ぶかい。

さてさて来週はいよいよ最終話。目論みどおり『ロジカル・デスゲーム』ですね。
ただ予告を見てすこし残念に思ったのは、火村英生はたとえ冗談でも人様に向かって銃口を向けるような人間ではないと思っているので、そのへんにじゃっかんの違和感を覚えました。
てか、そんなこと云いかけたらドラマの最初っからほぼずうっと違和感だらけだったんだけどね。
しかしだなぁ、火村氏は別に人を“殺してみたかった”わけじゃないと思うんだけどなー。むむう。

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Posted by K@zumi

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