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黄泉がえり遊戯

黄泉がえり遊戯
黄泉がえり遊戯
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雪富 千晶紀
KADOKAWA/角川書店 (2015-12-26)
売り上げランキング: 1,006,486

葬儀場で次々と甦る死者たち。ある者は聡明に、ある者は餓鬼のように。2種類の「よみがえり」が意味することとは。第21回日本ホラー小説大賞受賞者が切り開く、モダンホラーの新たなる境地。


人は死んだらどうなるのか――
意識はほんとうにそこでぷっつりと切れてしまうのか。甦りはあり得ないのか。
以前お勤めしていた会社関係の方(当時は80歳くらいだったかな?)が、むかし一度亡くなって、お通夜の晩に生き返ったことがあったんだそうです。お通夜って故人との最後の夜を親しい人たちと一緒に語らいながら偲ぶということもですが、そのため(万が一の蘇生)の猶予期間でもあるのでしょうね。
想像するだにオソロシイのは、もしもこれが火葬場の炉のなかで生き返ってしまったとしたら……。ヤダ。

さてさて、デビュー作『死呪の島』よりかはいささかパワーダウンした感は否めませんが、今回は怪異をこの「死者の甦り」ひとつに絞っているためとてもスッキリとした印象。辺鄙で過疎化の進む田舎町を舞台に、霊が見える妹との葛藤やほろ苦い青春ストーリー、難儀な町おこしなどを絡めながら、臆病で何かとうじうじしちゃう性質の主人公が不可解な現象を地道に調査しじょじょに真相に迫るあたりはミステリ的でおもしろかったです。相変わらずとてもわかりやすい布石である程度展開は予想できるものの、ぐいぐい読めます。
最初はタイトルの『黄泉がえり遊戯』というのがどういうことなんだろうと思っていたら、なるほど、たしかにこれは“黄泉がえり遊戯”で正解でありました。とことん邪悪で醜悪なゲーム。

やっぱり雪富さんかなあと思うのは、序盤からの直球で攻めてくる怪奇現象がなかなかのスプラッタであるにもかかわらず、あまり日常が崩壊してしまわないところ。わりにのんびりしてるんだもん。
だいたい葬儀場で次々と死者が甦っているというこのすさまじい現状で、町のみなさんももっと混乱して怖れおののく事態になるかと思いきや、「困ったもんだなあ」「古谷葬祭も大変だな」くらいの認識で、けっこうアッサリ受け入れちゃってるところがなんというか、、、(ヤバいだろ?ソレ)

そしてこの作者、なにげにバトル好きですね。ええ、きっと。

すこし気になったのは、主人公がずっと抱えていた「苦悩」が取り除かれるところにあまり説得力を感じなかったということ。この解釈で果たして救われるものなのだろうか。ううむ。
またそれに付随してこれまでの遼一の性格に変化が起こるのですが、これがどうも劇的過ぎて豹変に近い。
もしかして「甦り」なんじゃね?と思うくらい不自然に感じました。

ラストはいささか駆け足的収束ではありましたが、前作同様すべて都合よくキレイに収まって、ホラー小説のエンディングとは思えないほど爽やかハッピーエンドで良かったです。

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Posted by K@zumi

コメント

No title

この人の作品では、警察とか本当に存在感ないですよね。
アメリカのホラーだと、よっぽどのことが起きないと地元の保安官しか動かないですから、ああいう世界の方がなじみやすい作風なのかな、と。

  • 2016/08/21 (Sun) 20:07
  • Sou #-
  • URL
Souさん:

> この人の作品では、警察とか本当に存在感ないですよね。

 Souさん、これ未読ですよね?
 
 てことで直接的な表現は控えますけれど、ラストに
 「お片付け」の記述が登場するのですが、これがもうアナタ
 いっしゅん空目してしまいましたがな。

 警察の存在感どころの話じゃありません。
 ほぼ犯罪です(゚∀゚)

  • 2016/08/21 (Sun) 22:07
  • K@zumi #pULoeKa6
  • URL

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