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湿地

湿地 (創元推理文庫)
湿地 (創元推理文庫)
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アーナルデュル・インドリダソン
東京創元社
売り上げランキング: 30,680

雨交じりの風が吹く、十月のレイキャヴィク。北の湿地にあるアパートで、老人の死体が発見された。被害者によって招き入れられた何者かが、突発的に殺害し、そのまま逃走したものと思われた。ずさんで不器用、典型的なアイスランドの殺人。だが、現場に残された三つの単語からなるメッセージが事件の様相を変えた。計画的な殺人なのか?しだいに明らかになる被害者の老人の隠された過去。レイキャヴィク警察犯罪捜査官エーレンデュルがたどり着いた衝撃の犯人、そして肺腑をえぐる真相とは。


重厚なサスペンス映画を観終わったような高揚感。
顔が火照るよ。心臓もバクバクしてる。

圧倒的な筆致で描かれる上質な北欧ミステリ。
とても面白かったが、できれば読み返したくないと思うくらい、
冷たく陰鬱な鈍色の苦しみを伴う物語だった。

ある老人の死をきっかけに、湿地に巣食う醜悪な悪霊がぞろぞろと這い出してくる。
ホラーでもないのに心が芯から冷え切ってしまう。
科学の進歩は目覚しい。
頭のいい人によって何もかもが細胞レベルでデータベース化されてしまう。
知らずに済めばこの悲劇は防げたのだろうか。暴かれた秘密の残酷さに絶句させられる。

サイドストーリーとして描かれる主人公のプライベートもなかなか壮絶で
読者はさまざまな毒気にあてられながら「血」や「家族」について考えさせられる。

世の中には知らなくてもいい秘密がある。
しかし人は苛酷な真実を追い求め、破滅の道を歩もうとする。
泥のようにやり切れない物語だったが、常に公平な彼の人柄に心底救われた。

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Posted by K@zumi

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