K's Diary

時はわたしに めまいだけを残していく

黒面の狐

黒面の狐
黒面の狐
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三津田 信三
文藝春秋
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戦後まもない混乱期。主人公の物理波矢多(もとろい・はやた)は満洲の建国大学から日本に帰国し、足の向くままに北九州の炭鉱で炭坑夫となって働き始める。そこで、同室の合里が落盤事故で坑道に取り残されたのを皮切りに、炭坑夫が次々と自室で注連縄で首を括るという、不気味な連続怪死事件に遭遇する。その現場からはいつも、黒い狐の面をかぶった人影が立ち去るのが目撃され……。


ホラーじゃない三津田作品はほんとうに久しぶり。
背景となる炭鉱の風俗がとても丁寧に描かれていて興味深かった。

あまたの悲劇を体験し無神論者となった者ですら、
自然と神仏に縋ってしまうほどの不安を坑内には覚えるという。
怪談はまことしやかに語り継がれ、荒くれ者も俗習に従い、験を担ぐ。

そんな炭鉱が舞台ならさぞかしおどろおどろしい魑魅魍魎が登場すると思いきや、
意外にかっちりとした正統派本格。そして……

出ましたラストでのめくるめくミスディレクション!

これぞ三津田ミステリの真骨頂。このお約束がたまらん~
「手記」の部分は正直読むのがとても辛い。骨太な良作でした。


放浪探偵、物理波矢多(これまた刀城言耶なみにけったいな名前)も
どうやらシリーズ化しそうな気配ですね。
『木霊殺人事件』かあ。楽しみやなあ。
なんだか和田慎二さんの怪奇漫画『朱雀の紋章』を想起して勝手にぞわぞわしています(*´ω`)

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