K's Diary

時はわたしに めまいだけを残していく

4月に読んだ本のまとめ

4月の読書メーター
読んだ本の数:12
読んだページ数:4044
ナイス数:1761

作家刑事毒島作家刑事毒島感想
おもしろかったー!もう毒島さん、毒吐きすぎっ!表紙のイラストもその表情が彼のすべてを物語っていてぜつみょう。口角の上がり方とか目尻のニュアンスとか。滲み出るあの厭〜な感じ、すごいっす。しかし文壇とはこんなに伏魔殿なのかしら?勘違い作家はあんなにも痛々しいのかしら??デフォルメはしているとしても、ソノ界隈に渦巻いている空気感はビシバシと伝わってくる。毒島さんがあーゆーキャラなのでしごく痛快に読めてしまうけど、あそこまで完膚なきまでに叩きのめす。うーん、ヤッパ作家って商売は熾烈やわぁ。
読了日:04月02日 著者:中山 七里

仮面山荘殺人事件 (講談社文庫)仮面山荘殺人事件 (講談社文庫)感想
だまされた!なんとソッチでしたか!?だーっ。実はイイ線いってたんですよ。わたしにしては珍しくメインのカラクリには気がついたのです。そ、それなのにぃぃぃ、、、うう。くやちい。ミステリファン垂涎のお約束な舞台装置に仕掛けられた、ひと味違うクローズドサークル。ドラマチックな演出とは裏腹に、行き場のない悲しみや苦い想いが募るそれぞれの終焉。サスペンスフルな展開と華やかなどんでん返しは映像映えしそう。ぜひ舞台演劇で鑑賞してみたい気持ちでいっぱい。まさしく『仮面山荘』殺人事件でございました。
読了日:04月03日 著者:東野 圭吾

群衆リドル Yの悲劇’93 (光文社文庫)群衆リドル Yの悲劇’93 (光文社文庫)感想
ぶっちゃけ、まほろそんなにスキじゃないハズなのに、どうも気になって手を出してしまう。これが恋なの?それはともかく、もしもファーストコンタクトがこの作品だったらきっとまほろの印象はがらりと変わっていた…かもしれない。読みやすかった。吹雪の山荘、死を告げるマザー・グース。密室にダイイング・メッセージにミッシング・リンク。なんとも絢爛豪華な大〈本格祭り〉的プロット。胸が高鳴らないハズはなかろう。精緻なロジックをたっぷり堪能させて戴きました。まあ強いていうなら、イエ先輩がちょっと鬱陶しい。
読了日:04月06日 著者:古野 まほろ

虹の歯ブラシ 上木らいち発散 (講談社ノベルス)虹の歯ブラシ 上木らいち発散 (講談社ノベルス)感想
上木らいち再び。援交女子高生が探偵役という不謹慎極まりない設定。それに未成年の売春が発覚しても生安に引き渡さんとか、あかんやろ捜一。まずは保護や!と、どーでもいいところにつっこむ。それにしても「らいち」という少女の実体がますます分からなくなった印象。いろんな彼女がいて掴みどころがない。『青』のくだりでの「教祖」の正体には驚愕。ンなあほな。"教祖様のほうが『いかにも』って感じ"ってセリフが笑かす。あとヤクザってなんでいつも関西弁なんやろ?とかこれもどーでもいいところにつっこむ。
読了日:04月07日 著者:早坂 吝

法人類学者デイヴィッド・ハンター (ヴィレッジブックス)法人類学者デイヴィッド・ハンター (ヴィレッジブックス)感想
ハンターがジョニデ、ヘンリーはリーおじさま(故クリストファー・リーね)のWウォンカで脳内変換して読む。むっちゃ萌えるわぁ。法人類学のスペシャリストとは謳っていながらも、その手腕ががっつり捜査に絡んでくるというよりは、むしろストーリーの味付け程度の位置づけだったように感じた。また本作は深い悲しみの淵から己を取り戻す主人公の人物背景にたっぷりと時間を割いた、これから対峙する事件ファイルへの大いなる序章といった印象を受けた。スローライフの裏の顔が丁寧に描かれ、憐れな動機にも納得がいった。
読了日:04月12日 著者:サイモン ・ベケット

営繕かるかや怪異譚営繕かるかや怪異譚感想
古家にすくう心休まらない怪奇現象(障り)を”リフォーム”というカタチで改善にひと役買ってくれるのが、営繕屋を生業としている「尾端」という人物。彼の淡々とした誠実な人柄がこの閉鎖された”家”のなかに漂う、昏く息苦しく湿った空気に、ほのかな明かりと心地よい涼風を通してくれます。たしかに主上の十八番であるしんしんと怖い和製ホラーではあるんですが、郷愁をさそう切ない風景の描写やなんとも心ひかれる古民家の風情ともあいまって、読了後は憑物が落ちたみたいにふわりと心が軽くなり、じんわりとぬくたい気持ちに満たされます。
読了日:04月14日 著者:小野 不由美

蘆屋家の崩壊蘆屋家の崩壊感想
ああ、おもしろかった!『夢幻紳士』好きにはこりゃタマラン。あたしなんだかんだ云っても民俗学にミステリが絡む不穏で湿っていて不条理で滑稽で土着感満載のぞわぞわと気色悪い怪奇譚がやっぱりスキだわ。そーゆー意味ではまさにご馳走本。呑み助でプー太郎な「おれ」と博識で天然な「伯爵」このゆるゆるコンビがなんとも愛嬌があって良い。共通項が豆腐LOVE(なんだそりゃ)なふたりが遭遇する妖しき奇譚の数々。続刊があるそうなので、これは是非とも追っかけねばならぬ。ちなみに食の嗜好は猿渡くんに共感。
読了日:04月20日 著者:津原 泰水

夏を殺す少女 (創元推理文庫)夏を殺す少女 (創元推理文庫)感想
なんて疾走感のあるミステリ。そしてよく練られたストーリー。やー、がっつり楽しませてもらいました。お互い異なった不審死を調べる女弁護士と落ちぶれ刑事。畳み掛けるような展開で次々に謎が提示され、苦痛と憎悪に満ちたとても痛々しいお話ではあるものの、翻訳もイイ感じなのでするすると読めていく。かなりぶっ飛んだ捜査(免職もんやで!)を重ねる彼らの軌跡がようやく出会い、おぞましい事件の全貌が明らかになったとき、めまいがするほどの人間の業の醜悪さに反吐がでる。極上のサスペンス、堪能しました。
読了日:04月23日 著者:アンドレアス・グルーバー

毒殺協奏曲毒殺協奏曲感想
毒殺といえばイメージ的には女子供の専売特許で、まさしくここに登場するのも非力でか弱い者たちばかり。お気に入りはコメディタッチの『猫は毒殺に関与しない』主人公キャラの庶民的な切実さが絶妙の語り口でコント並におもしろかった。で、結局SNSに悪口書き込んでたのって誰だったのかしらん。ちなみにわたしはLINEってやつがどうも苦手なので、もしも今の時代に若者だったらこんな四六時中見張られてるような付き合いをせにゃならんかったかも、と思うとつくづく今の歳で良かったと胸をなでおろすのであった。
読了日:04月24日 著者:

ハケンアニメ!ハケンアニメ!感想
辻村さんのアニメに対するハンパない愛を感じて、その愛の深さに感動しつつもちょっとたじろぐ。でもここまでファンにホレ込んでもらってるお仕事なんやなあ。と、過酷な業務でヘロヘロにながらも懸命に働く娘を知っているだけに思う「ありがとう!辻村さん!」この小説には多分にアノ業界への作者のあらゆる憧憬や妄想がキラキラと詰まっていて、文字の向こうにクオリティ高く彩色された二次元ワールドが広がる。泣いて笑ってきゅんとして、たとえ肌ボロボロの着た切り雀でも戦う彼女たちは逞しいヒーローなのだ。
読了日:04月26日 著者:辻村 深月

熱帯夜 (角川ホラー文庫)熱帯夜 (角川ホラー文庫)感想
初・曽根作品。三篇ともひじょうにテンポよくさらっと読めてしまうのだけど。いやぁ、濃いわッ!濃い。真っ黒なタールの中にずぶずぶと浸ってあちこちにいろんなものがへばりついて洗っても洗ってもぬるぬるべとべとが取れない感じでどっぷりと気が滅入る。読み始めから想像する展開と着地点が見事に違っていて、なんて身も蓋もないんだ…。あてられた毒がキョーレツでくらくらする。ああ、そうか。そうだよねえ。食べちゃうよねえ。可哀想だけど、食べたらおいしいよねえ。鶏でも仔羊でも。所詮そんなもんだよねえ。
読了日:04月27日 著者:曽根 圭介

失われた地図失われた地図感想
遺恨怨恨うずまく土地に裂け目が発生。歴史が抱える負のエネルギーの重さに比例するように、そこからわらわらとあふれ出す過去の亡霊や「グンカ」との攻防。その裂け目を簪をつかって縫いとめるという超アナログな発想にクスリ。登場する能力者がごく普通の人なのも暗示的な気がする。反戦を扱う怖い小説だと思うが、緊張感とゆるゆるのノー天気さが混然一体となってイイ塩梅に楽しめる。好きな章は「桜」の場面。にぎやかな花見客のなかにほんとうに死者が混ざっていてもきっとわからないだろうな、とわたしも思う。
読了日:04月29日 著者:恩田 陸

読書メーター



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先月は桜の写真もいっぱい撮れて本もとりあえず10冊以上読むことができて、楽しい四月でした。
うふ、うふふの『作家刑事』もおもしろかったし、
ひじょうに読み応えのある海外ミステリ2作もとても良かった。

今月末はいよいよお引越し。ああ、気が重い……

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