9月に読んだ本のまとめ

9月の読書メーター
読んだ本の数:12
読んだページ数:4740
ナイス数:1184

九つの殺人メルヘン (光文社文庫)九つの殺人メルヘン (光文社文庫)感想
夜眠る前にお布団のなかで1日1話ずつ読む。という、幼子が毎晩母親から読み聞かせをしてもらうような趣向で楽しみながら読んだ。大人のひねたメルヘン。お伽噺になぞられた動機と九つのアリバイ。日本酒バーで美味しい肴と愉快な仲間たちによるサイコーの与太話。いえ、ディスカッション。これはたまらない。1話目から胃袋とハートを持っていかれ、すっかり物語の虜に。あの絶妙のノリ突っ込み、反則やわ。けっこうなムチャぶりトリック連発だけど、酒の席なら大いにアリやね。さらっと辛口で締めるラストも粋。
読了日:09月02日 著者:鯨 統一郎

武家屋敷の殺人 (講談社文庫)武家屋敷の殺人 (講談社文庫)感想
いンやー、おもしろかった!ミイラが蘇ったり、死体が瞬間移動したり、魅惑的な謎がいっぱい。もう初っ端からすごい。邦彦がわずかな手がかりから瑞希の生家を突きとめてしまうところは本当に圧巻。伏線らしきところに付箋をばしばしと貼って、やがてそれらがキレイに回収されていくときの爽快感ときたら。自分ではまったく推理なんてしてないのに、その伏線が当たってただけでもヘンな優越感に浸れてしまう。アホだ。消失トリックはまるでイリュージョン。ありえへん~!ラストはさらにお口あんぐり。満腹満足なり。
読了日:09月04日 著者:小島 正樹

十字屋敷のピエロ (講談社文庫)十字屋敷のピエロ (講談社文庫)感想
美しくスマートな文章。魅力的な登場人物。二転三転する事の真相。東野さんの本はとても読みやすくて、まるでドラマを見ているようにすっと心に入ってくる。ユニークなのは「悲劇のピエロ」と云われるお人形の視点から語られる事件の断片。そこにミスリードが隠されてるんだ!って分かっていても気づけないもどかしさ。トリック自体はそんなに大げさなものじゃないのに、全体像が明らかになったときのカタルシスがとっても気持ちイイ。そして最後のもうひと捻り。苦い哀しみと車窓を流れゆく風景のような寂しさが残る。
読了日:09月06日 著者:東野 圭吾

月の夜は暗く (創元推理文庫)月の夜は暗く (創元推理文庫)感想
虐待が子どもに与える影響の計り知れなさを目の当たりにしてただもう戦慄する。残虐性に容赦がなくてひたすらビビりまくる。同じ見立て殺人でも、殺害してから装飾を施すというのではなく、童謡(かなりサイコ)を忠実になぞって拷問し続け死に至らしめる。人間であることを呪いたくなるくらい恐ろしい。でも目が離せなくて心拍数ガンガン上げながら前のめりになって読む。なんといっても偏屈キャラのスナイデルがとても魅力的。途中で犯人は察しがつくものの、散らかった人間関係の糸が見事に一本に繋がるさまは爽快!
読了日:09月11日 著者:アンドレアス・グルーバー

その女アレックス (文春文庫)その女アレックス (文春文庫)感想
アレックス。彼女は何者?そのタイトルからしてすでにネタバレ感満載だけど、とても面白かった。彼女の素顔がじわじわと浮かび上がる展開はとてもスリリングで背中の産毛もさわぐ。その手を掴みかけてはまたするりと身をかわしてしまう、タフでチャーミングで残酷で、泣き虫の哀しいヒロイン、ミステリアスなアレックスの秘密が知りたくて夢中になって読んだ。監禁状態も殺害方法もとことん悪趣味でおえっぷになりながらも、カミーユを始め捜査員たちの軽快な会話に心底癒されつつ、彼女の人生をまるごと飲み込んだ。
読了日:09月12日 著者:ピエール ルメートル

キャットフード (講談社文庫)キャットフード (講談社文庫)感想
ゲス探偵との誉れ高い三途川理とはいかなる人物か。実は読む前から興味シンシンでした。ははあ。なるほど。たしかにゲスや。しかしなにがびっくりって彼がまだ高校生だということ。ティーンであのもの言いはないわー。それに、にゃんこと一緒になってもぐもぐしてるシーン、最初特に気に留めなかったんだけど、理由がわかってからは微妙に寒気が…。ないわー。ブラックユーモア満載のシュールなミステリ。ロジックがややこしくてちょっとこんがらがったけど、サスペンス感もたっぷりで、サクサク読めて楽しく読了。
読了日:09月14日 著者:森川 智喜

身代わり島 (朝日文庫)身代わり島 (朝日文庫)感想
舞台が三重県の離島ってことで、県民としては問答無用でテンションが上がりまくる。しかも悲しい伝説を秘めたこの島は「身代わり島」とも呼ばれているそうな。その身代わり島で起こる不可解な事件。フィギュアの首がもがれたり、そのフィギュアと酷似した服装の女性が殺害されたりと、またもテンションは上がる。推理は相変わらずキリリと鋭く、石持作品に登場する探偵さんはみんなあまりにもキレ者すぎてちょっと恐い印象。そうかぁ。この本を手に取ったときから、すでにトラップは仕掛けられていたってことかぁ。
読了日:09月14日 著者:石持 浅海

化身の哭く森化身の哭く森感想
今回は槙野さんも東條刑事も血まみれのズタボロにならなくて心からホッとするわたし。新メンバーに早瀬さんもキャスティングされ、どうやら彼女には不穏な秘密が隠されているモヨウ?こちらは次回以降のお楽しみということで。入らずの山に足を踏み入れた学生たちが次々と非業の死を遂げる。これは御山の祟りかあるいは第三者による殺人か。犯人に関しては、珍しく早い段階で当たりを引いたのだけど、共犯者が違っていた!くっ!まさか彼らが裏で繋がっていたとは…。しかしお金の魔力って祟りと同じくらい恐ろしい。
読了日:09月16日 著者:吉田 恭教

哀愁の町に霧が降るのだ〈上巻〉 (新潮文庫)哀愁の町に霧が降るのだ〈上巻〉 (新潮文庫)感想
本棚の整理をしていてふと目について思わず読んでしまう。ぐぅ、やっぱりおもしろい。椎名さんはわたしがまだ小娘の頃、この人となら人生棒に振ってもイイと思えるくらい惚れ込んでいた作家さん。当時はご多分に漏れず「ちょっとブンガク的な不良中年」というのがツボだったのだ。今でもそうだけど。若き日のシーナと愛すべき悪友どもとのオロカで愛しい日々。怒り悩み罵倒しケンカに明け暮れひたすら酒を飲む。これがしみじみと面白く、そして切なく、しんと悲しい。この独特の「おもしろかなしずむ」は彼の真骨頂だ。
読了日:09月21日 著者:椎名 誠

有栖川有栖の鉄道ミステリ・ライブラリー (角川文庫)有栖川有栖の鉄道ミステリ・ライブラリー (角川文庫)感想
わたし自身は特に鉄ちゃんではないのですが、鉄道に関することは読むのも見るのもけっこうスキです。しかもこれまたダイスキな有栖先生推しの鉄道ミステリときた。堪能させていただきました。ずらりと並んだメンバーはどなたも大御所ばかり。しかしながら名前しか知らなかったわたしにはどの作品も新鮮でとても興味深く読ませてもらいました。特に印象深かったのはフィリップ・K・ディックの『地図にない町』。幻想的でノスタルジックで、時計の針が狂うような奇妙な読了感はわたしにとっては十分ホラーなのでした。
読了日:09月25日 著者:




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なんと、記事にタグが10個しか付けられないってことで、2作品だけ別エントリーに載せます。
ちょっとややこしいけど、まあ覚え書きなので……。

9月は話題作だった(すでに遠い過去か)『その女アレックス』をようやく読んだ。
しかし悲しい物語だった。アレックスという一人の女性の壮絶な生涯だった。
彼女は何のために生まれて来たのか、なぜこれほどまでの目に遭わなくてはならなかったのか。
これが選ばれし者に与えられた神様の試練だとしたら、神様なんてドSのド変態のくそったれだ。
そのイカれた神様のゲームに彼女は彼女なりの方法でケリをつけた。
もう悪夢に怯えなくてもいいよと思うと、泣けてくる。
それにしてもアルマン、男前やん。見直した!!

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Posted by K@zumi

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